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『A〜帰ろう』


いつものようにお迎えにきてくれるヒョンジンに、
“ありがとう”と伝えると、手を握る。


「ハンが、そろそろ飲み行こうって言ってたよ」


『そうだな。行くか』


「怒ってたよ。最近遊んでくれないって」



ヒョンジンと付き合い始めて、
あっという間に2ヶ月が経った。

ハンは本当に喜んで祝福してくれて、
飲み会を開いては1番初めに酔い潰れてたっけ。



『俺はAとたくさん思い出作るのに忙しいから』


「へへ、そうだね。じゃあまた今度って伝えとく」


と目の前の信号が赤になり、
スマホを取るために自然と繋がれていた手は離れる。



『…ぁ、』



「ん?」



『…ううん、なんも無い』



「……」



ヒョンジンの目には、
歩道の先で同じ信号を待っているリノの姿が見えたのか、
隠すように私の前に立つ。


「どうしたの?」


リノの姿だったら、私にも見えてるのに。



『ん?別に。今日は違うカフェに行こう』



「何であんなに行きたいって言ってたのに」


『……』


いつまでも動かないヒョンジンに、スマホを直して目を見つめる。


「リノの姿、私も見えてるよ」


『え?』


「別に気にしないでいいのに」


『……』



「私はヒョンジンが大好きだよ」


目を見てしっかり伝えると、
ヒョンジンはニコッと笑い私の目の前からいなくなる。


隣に立ったヒョンジンは私の手をギュッと握る。



『うん、俺も大好き』




そう微笑むヒョンジンの手を応えるようにギュッと握り、
信号が変わる音が聞こえ前を向くと
すぐそこにいたはずのリノの姿はなかった。













end.








ここまで読んでくださってありがとうございます。


リノとヒョンジン
どちらを選ぶか本当に悩んで悩んで…
もういっそどっちも選ばないでおくか。と迷走したときもありました。


どっちを選んでも幸せになる結末を考えれたのですが、
やっぱり支えてくれた人の存在って大切かなと思い
それをどうしても見捨てることができませんでした。



リノ派の皆様、すみません🙇‍♂️



次回作、
いつになるか分かりませんが、
もし次もあれば読んでいただければ幸せです。



Kii123

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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
- 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時

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