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『Aに振られたと思ってたから、今日やけ酒してた』


そう隣でアイスを食べるヒョンジンは、私を見て拗ねたような顔を見せる。


「初めて見たよ。ヒョンジンが酔っ払ってるところ」


『いつもAのお世話してたから』



「それはごめんね」



と謝ってヒョンジンの肩に頭を置くと、
ヒョンジンは空いてる左手で私の手を繋ぐ。


そんな些細なことにも、ドキッとして、

繋いでくれた手を握り返すと
私を見て“俺が世話したくてやったから平気”と呟く。


「ありがとう」



『こちらこそ』



しばらく2人でテレビを見ていると、
居心地がよくなり、急に眠気が襲い途中で意識を失った。



──────



『おはよう』


目を覚ますと、いつの間かベッドの上にいて
ヒョンジンが隣で寝ていてバチッと目が合う。

おはようと微笑むヒョンジンに、
なぜか緊張して“おはよう”と小さく答える。


『え、あ!何もしてないよ、ただソファだと体痛いから移動しただけ』


そんな緊張を感じ取ったのか、
慌てて“何もしてない”と言うヒョンジンに笑みが浮かぶ。


「ハハ、分かってるよ。ただ、目覚まして目の前にヒョンジンがいることが、嬉しくて少し緊張しちゃった」


『っ可愛いな〜』



「今何時?」


『まだ朝の6時』


そうスマホの画面を見せてくれるヒョンジンは、
私に“学校だよね?”と少し悲しそうに笑う。


「うん。1回帰らないと」


『送るよ』


「大丈夫。ヒョンジンも時間ギリギリなっちゃうから」


『ううん大丈夫。送る』



と体を起こす私に、ヒョンジンも同じように体を起こしては
私をベッドから下ろさないように後ろから抱きしめる。


「どうしたの?」


『ん〜あと10分ゆっくりしようよ』


「遅刻しちゃうよ」


『じゃあ5分』


「……」


『……3分?』


「……」


『…………1分』


徐々に自信を無くしていく声に笑いを堪えていると、
ヒョンジンの手がゆっくり離れる。


『…分かった。諦める』


後ろから悲しげな声が耳に届き、
愛おしくなって振り返るとヒョンジンを抱きしめる。


「10分ね」


もう別に、遅刻したっていい。



私を受け止めてくれるヒョンジンは、
嬉しそうに微笑み、優しく私を押し倒した。

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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
- 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時

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