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何度かけても繋がらない電話に、
焦りを感じながらヒョンジンの家の最寄り駅につく。


駅に着いたものの、ヒョンジンの家は知らない。


駅からどっちに行けばいいか分からず、
もう一度ヒョンジンに電話をする。


電源が入っていないため…と機械音が続くと、スマホを耳から離す。


はぁ、どうしよう。
やっぱりあの時、待っててって伝えるべきだった。


やっと、決めたのに。


──────



『…A?』


驚いた表情で私を見るヒョンジンは、
顔を赤くして私に近づいてくる。
そんなヒョンジンからは、ふんわりお酒の匂いがした。


結局、駅から動けないまま
会えるか会えないか分からないまま、

駅の前でずっと、待っていた。




でも良かった。 会えたから。



「何度も電話したのに」



『あぁ…ごめ、充電が、』



と少し慌てているヒョンジンを、思いっきり抱きしめる。


その勢いで少し足がよろつくヒョンジンは、
なんとか耐えては私を抱きしめ返してくれる。



『あれ…俺振られたんじゃなかったっけ?』


「…私がいつ振った?」


『Aは元彼を選んで、俺にごめんって…』


「それはリノに、最後ちゃんとお礼言いたかったから。それから、返すものもあったから」


そう言うと
“ふうん”と呟くヒョンジンは、私を抱きしめる力が強くなる。


「……待っててって伝えればよかったね」



『スマホ昨日、充電するの忘れてた俺が悪い』



「ハハ、それは仕方ないよ」



『はぁ良かった。俺のところに来てくれて、嬉しい』


と私の肩に頭を置くヒョンジンは、
やっぱりお酒の匂いがして、少し心配になり体を離す。



『ん?何で離れんの』


ふにゃっと笑うヒョンジンをみて
やっぱり酔っ払ってるなと確信する。


「酔っ払ってるでしょ」


『ううん』


酔っ払ってないと言い張るヒョンジンは、
私の手を取りまた抱きしめようと体を寄せる。


「ここ、人多いから移動しよ」


抱きしめられる前に、手を引いて場所を移動すると、
何も言わずにされるがままのヒョンジンは私に着いてくる。


「家はどっち?」


『あっち』


とヒョンジンが指を指す方向に向かって歩き出す。


『家くるの?』


「送るだけだよ」


『その後は?帰んの?』


「うん」



『ダメ。もう今日は遅いし暗いし1人じゃダメ』

そう私の手を強く握るヒョンジンは、
心做しか顔がニヤけているようにみえた。

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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
- 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時

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