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ハンの家から帰り家に着くとシャワーを浴びる。
スッキリして部屋に向かいスマホをみると、
リノから1件の着信が入っているのが見えた。
一瞬、かけなおすか悩んだもののスマホを机に置いてソファに座る。
テレビをつけようとリモコンを手を伸ばした瞬間、
再び鳴る着信に、恐る恐る画面をみる。
“リノ”
そう表示されているスマホを、手に取ると耳に当てる。
「もしもし」
『家の近くにいる。出てきて』
「…なんで?」
『少し話そう』
なにを…今更…
「…………」
『待ってるから、来て』
何も答えずにいた私に、リノは待ってるからと電話を切る。
行くべきではない。
何も進まない。
最後。
これで、最後にしよう。
簡単に準備をすると、家を出た。
家を出て少し歩こうとすれば、すぐ近くにリノの姿をみつける。
スマホをいじっているリノは
少しボーッとしているのか、私に気づいていない。
「リノ、」
そう声をかけると、顔を上げたリノは
少し驚いた顔をしていて私を見てはすぐに微笑んだ。
『カフェでも行く?』
と歩き出すリノに“うん”と答えながらリノの隣を歩く。
懐かしいな、
こうやって2人で歩くのも。
『来ないかと思った』
「…行かないって選択肢もあったよ」
『へぇ寂しいな』
相変わらずなにを考えているのか分からない。
彼女のこと、好きなんでしょ?
近くにあるカフェに着き、コーヒーを頼むと席に座る。
「話って、なに?」
『俺は、ソアのこと好きじゃない』
「……え?」
リノの衝撃的な発言に、驚いて固まる。
『俺は、ずっとAのことが好き』
「…………」
『俺が、Aに別れを告げたのは、ソアとその、一夜の過ちを犯してしまったというか……』
次々と驚くことばかり言うリノに言葉を失う。
『…酔っ払ってて正直覚えてない、そんなことした覚えもない。でも…それをAに言うと脅されて、その時は、それが怖くて…ソアに従うしかなかった』
脅されて…?
もしかして、
彼女がついている嘘って、この事?
『Aがどんどん離れていくのが怖い。もう、Aに全部正直に話して、許してもらうしかないと思った』
「…………」
なんで今更……
最初から正直に話してくれていれば、
すれ違うことなんかなかったのに。
『俺のところに戻ってきて』
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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時