choice of fate

37 (lk) ページ37

リノ side




ソアが怒って帰った後、急いでAが待っている公園に向かう。


公園に入ろうとした時、
Aらしき人影が見えたと思えば、その人影が男性を抱きしめる瞬間がみえた。


『………』



気づかれないように近づくと、
やっぱりその人影はAで抱きしめられている男も、見た事のある男だった。



来るのが、遅かった。



ソアにどうせバレるなら、
もっとAと会って、話して、繋ぎ止めておくべきだった。


……もう手遅れか？


いや、まだ…諦めたくない。



2人を引き離そうか、
と1歩踏み出した瞬間、男がAをコーヒーを持った両手で抱きしめているのがみえた。


『………』


見てられない。

見たくない。




その現実から逃げ出すように2人に背を向け、再び歩き出す。



Aは、俺に何の話があったんだ…？


あの時俺がソアを無視してAのところに行ってれば、

何か変わってたか？



『……はぁ…』




どこかに寄るわけでもなく家に帰り、スマホを開く。


習慣になっている写真フォルダを開けば、
Aとの写真を見ながら画面をスクロールする。


写真の俺らは、幸せそうに笑っていて、
なんでこうなってしまったんだ。なんて自分が悪いくせに、
誰かのせいにしては、どうにか自分を保つ。



ソアに、本当のことをAに話されたとしても、

Aと別れるべきじゃなかった。



嘘をついてごまかすなんて、やるんじゃなかった。



ちゃんと謝れば、Aは分かってくれたかもしれない。


もう後悔しても、遅い。



〜♪

“明日迎えにきてね”


メッセージの通知音が聞こえたかと思えば
開けばソアからのメッセージに、自然と大きなため息がでる。



Aの連絡先が消えても、番号ぐらい覚えてる。

もう一度Aの連絡先を登録すると、ソアの連絡先を消した。

38→←36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す