26 (hj) ページ26
ヒョンジン side
「ハナ〜またね〜」
ハン『気をつけろよ〜』
3人でたくさん飲んで食べて、いつも通りハンは1人で帰って行く。
「いつもごめんね。送ってくれてありがとう」
『ううん、まだ一緒に居たかったし』
そう微笑むとAは、笑って俺を見る。
あぁ、もうこんなギザな台詞言っても無駄かな？
無駄だと分かっていても、足掻いてしまう。
やっぱり、Aに振り向いてほしい。
「わ、っ」
『っ危ね、』
少し酔っ払っているAは、
小さな石に引っかかったのか踏んだのか、転けそうになったところを手を引いて助ける。
「っごめ、ありがと」
『飲みすぎだよ、支えるから』
ベロベロに酔っ払ってるわけではないから、
そりゃAも1人で歩けるだろうけど…
俺は、もう手を繋ぎたいだけの下心丸出しだ。
「うん、ありがとう」
てっきり離されると思っていた手は繋がれたままで、
頬を赤くしているAをみて、
緩む頬と伸びる鼻を空いてる片方の手で隠す。
「ヒョンジナぁ」
『ん？』
「いつもありがとう」
『ん？何もしてないけど』
「ヒョンジンはしてないつもりでも、私は色々助かってるの」
『それは良かった』
どんどんAの家が近づいてくる。
この手、離したくないな。
最後の曲がり角を曲がり、Aはふと足を止めた。
真っ直ぐ目の前をみているAは、
繋いでいる俺の手をゆっくり手を離す。
『？』
Aが見ている視線を追うと、
マンションの外に立ってスマホをいじっている男性が目に入った。
ああ、あの男。
「…ヒョンジン、ここまでで大丈夫」
『え？』
「もう帰れるから」
『待って、』
あいつと今更、何を話すんだよ。
「……」
歩いていくAの手を再び取り、
引き寄せようとしてもAの足は動かない。
『……A、』
「…また明日、連絡する」
Aの小さな声が、耳に入り俺の手を優しく離され、
ゆっくりと歩いて行く。
『……』
少しずつ離れる距離に、追いかけたい気持ちをどうにか抑えAに背を向けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました！泣Kii123さんの作品どれも大好きです！ (12月20日 23時) (
レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです！ (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 面白すぎました！展開も最高です！次回作もとてもたのしみです！！ (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 最高に面白いです！！ (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kii123 | 作成日時：2023年11月10日 23時
