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ヒョンジン side
『好きな人がいる』
なんでAといるときに、鉢合わせするかな…
『さっきの人?』
『ああそうだよ。だからご飯も行かないし、連絡もすんなよ。返さないよ』
『そんな言い方するんだ?ひどいなぁ』
『じゃあな』
自分が浮気したくせに。
いつまでも俺が好きだと思ってるんだとしたら大間違いだ。
本当に変わらないな。厚かましいところは。
───
『Aごめん』
公園のベンチに座って待ってくれていたAを見つけ、小走りで駆け寄ると“うん大丈夫”と立ち上がる。
「ご飯行こっか」
『うん行こう』
誰だったか聞くわけないよな。
やっぱりまだ俺の事なんか気にならないよなぁ。
「さっきの女性の人とご飯行くの?」
『え…?』
「ほら、誘われてたから」
隣を歩くAと目が合うわけではないし、
どんな表情をしてるかは見えないけど、気にしてくれているとしたら嬉しい。
『行かないよ』
「そうなんだ」
『行ってもいいの?』
「え?いや、それは、私がどうこう言える立場では…」
『俺はAがハン以外の男とご飯行くって言ったら、嫌だし行かせないけど』
まあ本当は、ハンも嫌だけど。
「じゃあこれからはヒョンジンと行くね」
そう微笑み俺を見るAに、ドキッと心臓が鳴る。
『約束だぞ』
「うん分かった」
平然と返事を返すAだが、
元カレに、誘われても断ってくれるんだろうか。
「ヒョンジンはさ、」
『ん?』
「私のどこが好きなの?」
どこが好き?
そりゃまあ、全部なんだけど。
『実は俺初めて出会った時から、Aのこと気になってたんだ』
「初めてって、あのコーヒーこぼした時…?」
『うん。』
「あの時は…化粧もしてなかったし、なんなら目腫れてたし服装だって…」
『確かにそうだね。』
てかAは化粧してもしなくても、綺麗だし
服装なんか何着ても可愛いし…スタイルいいの分かるし。
ってそういうんじゃなくて、
『Aがもってる魅力に惹かれたんだよ』
「……なにそれ、照れるじゃん」
珍しく俺の言葉で顔を赤くしているAに、嬉しくて頬が緩む。
『俺はいつでも待つから』
「………うん」
“うん”と答えてくれるまでの沈黙は長かったけど、
いつか、Aが俺のことを見てくれるのを信じて待つしかない。
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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時