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リノは、今日休んだのかな。
見なかったな。
「ジソナ」
ハン『ん？』
「リノ 今日来てなかったのかな」
ハン『……さあ』
そう適当に答えるハンは、ビールを片手に私を呆れたような顔をしてみる。
「そんな顔しないでよ」
ハン『もう別れたんだろ』
「そうだね、」
ハン『その指輪も、ヒョンに貰ったやつだろ』
“外せよ”とビールを口に含むハンは、
私の手についている指輪を見て小さなため息をつく。
外せるわけ、ない。
何も答えられず、ビールを口に流し込む。
「友達なんだから慰めてよ」
ハン『ヒョンのことは忘れて前に進め』
「え？」
ハン『以上』
と手に持ったままだったグラスに、
ハンが勝手に乾杯をしてニコッと笑っている。
本当、人の気持ちも知らないで。
──────
「じゃあね」
ハン『送るよ』
「大丈夫。すぐそこだから」
お店を出ると、優しいハンは私に送るよと声をかけてくれる。
やんわり断るも“コンビニに寄りたいから”と、
結局家の前まで送ってくれた。
ハンに別れを告げ、マンションに入ると
家の玄関に紙袋が置かれているのが目に入る。
不思議に思いながらも中を覗くと、
リノの家に置いてあった私の私物だった。
いつ、家に？
リノに連絡をしようと鞄からスマホを取り出すと、
1件メッセージの通知が入っているのが見えた。
“合鍵はポストの中に入れた”
そうリノからのメッセージに鼻の奥がツンと痛み、
視界がぼやけていく。
嫌だ。
何で、
「………っ」
好きな人ができたなんて、嘘だ。
流れる涙を拭い、発信ボタンを押す。
「……、っ出て…」
コール音が耳元で鳴り響き、手は震える。
“ただいま電話にでることができません”
そう聞こえると一気に体の力が抜け座り込む。
「っ、……っぅ、」
改めてリノがいなくなったことを実感し、
胸が苦しくなり、涙が溢れて止まらない。
もう1回、かけよう。
出るかもしれない。
気づかなかっただけで……
スマホの画面をもう一度開き、リノに電話をかける。
再び聞こえるコール音に心臓はバクバクして、
涙と手の震えで息が上がる。
「……はぁ、っ……おねがい、出て…」
“ただいま電話に出ることができません”
そんな祈りは虚しく、耳に入るのはリノの声ではなかった。
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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました！泣Kii123さんの作品どれも大好きです！ (12月20日 23時) (
レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです！ (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 面白すぎました！展開も最高です！次回作もとてもたのしみです！！ (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 最高に面白いです！！ (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年11月10日 23時
