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ヒョンジン side
ハン『じゃあ、よろしくな』
ハンとお店を出て、Aとタクシーに乗り込む。
あの後泣いて飲んでを繰り返したAは、酔いつぶれて寝てしまった。
スヤスヤ眠っているAをみて、
さっき泣きじゃくっている姿を思い出す。
本当に、好きなんだな。
でもAの気持ちを弄んでいたとしたら、許せない。
Aの家の前に着き、起こそうと体を揺らしても起きてはくれない。
仕方なくAを担ぎタクシーから出ると、部屋まで歩く。
事前にハンから聞いていた部屋番号まで行き、
悪いと思いながらもAの鞄から鍵を取り出す。
『A、着いたよ』
「…う〜ん、」
部屋に入りAをベットに寝かせ、すぐに寝室を出る。
リビングに戻りAの鞄をソファに置くと、
テレビの横にあるAと男性の2ショット写真が目に入る。
『……』
ああ、これは出来れば見たくなかったな…
写真から逃げるように、Aの家を出た。
──────
「昨日はごめん…ハンに聞いた。送ってくれたって」
次の日Aから会おうと誘われ、
カフェに向かうと申し訳なさそうに俺に謝る。
『全然大丈夫』
「見苦しいところ見せちゃって、ごめん」
と少し恥ずかしそうに俯くAは、
まだ少し目が腫れているのがわかる。
『ハンに泣きつくから、嫉妬したよ』
「え、?」
『俺も慰めることぐらいできるのに』
「……それは、ほら、ハンの方が付き合い長いし…その、頼れる友達だから」
真面目な回答をするAに、
つい吹き出してしまいそうになるのを我慢して、
“冗談だよ”と笑って返す。
『せっかくだからご飯食べて帰ろう』
「うん」
そう微笑むAは、コーヒーを手にとる。
そんな姿を目で追っていると、
指にいつも付いていた指輪が無くなっているのが見えた。
「何食べる?」
『う〜ん。Aは二日酔いだろうから、胃に優しいのにしよう』
「別に、二日酔いなんかじゃ…」
と言い訳をしてるAに、“はいはい”と流しつつ、
指輪がはずれたことの喜びを隠すのに必死だった。
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belle(プロフ) - ヒョンジン〜もう素敵な世界観すぎて感動しました!泣Kii123さんの作品どれも大好きです! (12月20日 23時) (レス) @page50 id: fb48995cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Saa(プロフ) - ヒョンジンが報われてよかったです! (11月26日 8時) (レス) @page50 id: 77cba17a92 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆしき(プロフ) - 今作も最高ですし泣きました。毎回とても素晴らしい作品を執筆して頂きありがとうございます。感謝しかないんですけれども.....次回作も楽しみにしております。お体には気をつけてください.... (11月23日 21時) (レス) @page50 id: 80317f73c9 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 面白すぎました!展開も最高です!次回作もとてもたのしみです!! (11月23日 20時) (レス) @page50 id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 最高に面白いです!! (11月22日 1時) (レス) id: 6dabbf1a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年11月10日 23時