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『ただいま』
「おかえり」
仕事を終え家に帰ると、Aが出迎えてくれて、
全力でニヤける口元をどうにか抑える。
『何してたの今日』
「今日はカフェ行って、スーパーに買い物行って普段作らないご飯作ってみた」
『なんかいい匂いすると思った』
とキッチンに足を運ぶと、
台所はすでに綺麗に片付いていて、温めたらすぐ食べれるようになっていた。
「美味しいかどうかは知らない」
少し照れくさそうに笑うAが可愛くて、
抑えていた口角は上がり、Aを抱きしめる。
“ありがとう”と耳元で呟くと、うんと頷いては俺の腕から逃げていく。
「シャワー浴びる？」
『一緒行く？』
「え？行かない」
と悩むことなく普通に断られ、1人でシャワーを浴びに行く。
シャワーを浴びリビングへ向かうと、
ご飯を温めてくれていたのか部屋中にいい匂いが充満する。
『はぁ、いい匂い』
「どうぞ」
少し心配そうな顔をしているAも可愛い。
目の前にある美味しそうな料理を口に運ぶ。
『ん！美味しい！』
冗談抜きで、美味しい。
今までなんで作ってくれなかったんだろう。
「本当？良かった…」
そう安心したのか、Aもご飯を食べ始める。
『料理上手じゃん。もっと食べたい』
「…考えとく」
Aとご飯を食べ終わり、
皿洗いをして、ついでにコーヒーをいれる。
「ありがとう」
『こちらこそ』
ソファに座るAにコーヒーを渡すと、隣に座る。
「明日は作らない」
『うん、もちろんいいよ。俺はAが家に居てくれるだけでいいから』
「……またそんなことを恥ずかしげもなく」
『じゃあ明日は外に食べいこう』
「うん」
『17時半には終わらせるから、会社の前に来て』
「分かった」
『あ、いやリノヒョンと鉢合わせしたら嫌だからやっぱり駅前で』
「ハハ、分かった」
Aは笑いながら“分かった”と言うと、俺の肩に頭を置く。
はぁ、こんなに幸せでいいのだろうか。
『もう一緒に住もう』
「え？」
『来週からまた週に1回しか会えない日々が続くって考えたら無理』
「私だって寂しいよ」
とAは俺の手を取り指を絡めると、
肩に置いていた頭を上げ俺の方に体を向ける。
「言わないけど、いつも会いたいって思ってる」
普段からツンツンなAがデレると、
本当に可愛くてついニヤけてしまう。
『俺も』
とニヤけた顔を隠すように、目の前にいるAにキスをして抱きしめた。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年9月5日 22時
