・ ページ7
『こないなぁ』
次の日になっても送ったメッセージに既読がつかない。
そんなに忙しいのか？
携帯を見つめながらソファに寝そべっていると
画面が切り替わり着信がくる。
“スア”と表示されていて、Aちゃんだと期待した分少し落ち込む。
『もしもし？』
電話に出るとスアから“今夜うちにこない？”との
お誘いで悩むもAちゃんからの返事に期待できず、
“行く”と答え電話を切った。
電話を切ったあとに、すぐメッセージの通知が入り
確認するとAちゃんからのメッセージが届く。
“いいですよ”
たった一言なのに、自然と口角が上がる。
すぐに時間と場所を伝えるとソファから立ち上がる。
あ、そうだ。スアにも連絡しないと。
“用ができたまた今度”
そうスアにメッセージを送ると携帯を閉じた。
「お待たせしました」
と待ち合わせ場所に小走りでくるAちゃんは、
俺を見つけてはよそよそしく手をあげて、俺に頭を下げる。
『急にごめんね。会いたかったんだ』
「え？」
そう顔を赤くして照れている姿も可愛い。
─────────
『A、俺と付き合わない？』
「っえ？」
Aと出会ってから2週間が経ったころ、
ちゃん付けだった名前も呼び捨てに変わり、
Aも俺に敬語を使わなくなった。
2人でご飯に行く回数も増え、
今日もその帰りでAの家の前で告白をした。
『俺の事好きじゃない？』
「…え、？それは…」
『俺はAのこと好きなんだけど』
付き合うには早いかもしれない。
でも、俺はAのことが好きだ。
「…うん、私も好き」
そう恥ずかしいのか、小さな声で呟くAが可愛くて抱きしめる。
『聞こえない』
少し意地悪したくなり、
聞こえないと耳元で呟くとAは、“えっ、”と体を固める。
『もう1回言って』
「……好き」
『うん。俺も』
そう体を離しAにキスをする。
照れているのか顔を赤くしているAに、
『俺今日帰りたくないな』
と追い打ちをかけるように呟くと、
目をパチパチさせながらもっと顔を赤くする。
「…えっ……と、泊まる？」
『ハハ、いいの？』
「うん」
『やった』
Aは玄関の扉を開けて、俺を招き入れてくれる。
初めて入ったAの家は綺麗で、いつもAがつけている香水の匂いがして心地よかった。
end.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kii123 | 作成日時：2023年9月5日 22時
