Neverending Story (ページ4)

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「ヒョンジン…」

『ん？』

「もう遅いよ」

そうAは俺の胸を優しく押すと、俺から離れた。

『………』

ここで諦めたら後悔する。

この半年間、ずっと後悔してきた。
だからこうやって無理やり会いに来てもらっているのに。

『……A、俺…』

「今、私幸せなんだ」

『え…？』

俺の目を見て言うAに、言葉を失う。

「もちろん、ヒョンジンと付き合ってた時も幸せだった」

『………』

だったら、また俺と……

「またね」

そう笑うAが綺麗すぎて、思わず息を飲む。

俺と付き合ってる時、嫌な思い辛い思いをさせているのに、なんで俺をけなさない？憎まない？

“幸せだった”
と言ってくれるAはお人好しだ。

『…A傷つけてごめん。大好きだった』

俺も幸せだった。

背を向けて歩いていくAに声かけると、
俺の方を振り返り微笑み手を振ってくれる。

Aを失ったこと、これから後悔する時はあると思う。

ただ、Aのあの表情を思い出せば大丈夫。

あの、幸せそうな表情を壊すわけにはいかないから。

『A、またな』

小さく呟いた俺の声はAに届くことはなかった。

end.