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『俺とAは、全部したよ』
ヨンボクの言葉で、一瞬時が止まる。
『だと思ったよ』
そう言葉が出たと思えば、
目の前にいるヨンボクに怒りが芽生え、Aの手首を掴んでいた。
部屋に入りAをベットに押し倒すと、
慌てた様子で“違うよ”と近づく俺の胸を押し返す。
『何が違うんだよ』
「ヨンボクが言っ…」
『もう俺の前でヨンボクの名前呼ぶなよ』
薄らヨンボクが出ていったであろうドアの音が聞こえ、
Aの両手を押さえつけ、キスをする。
「んっ、まっ…て」
『無理』
どう言い訳してくれるか気になるところだが、
今まで2人で隠してたのは、これが事実だからだろ。
はぁ……
『ムカつく、』
「っ…ん、」
思わず、心の声が出てしまいAに噛み付くようにキスをする。
珍しく押さえている両手が動き抵抗をみせるAに、イラつきが増し押さえる力が強くなる。
話す隙もなくAにキスをし続け、
着ている服を脱がすと抵抗をやめ大人しくなった。
「、 はぁ、…っ、」
『まだ何もしてないんだけど』
キスだけで、そんなに息が上がって。
「ん、っ…はぁ」
ああ、この表情もこの姿もヨンボクが見たと考えると
嫉妬で気が狂いそうになる。
『俺今日は優しくできない』
───
「……っはぁ、はぁ、っ」
自分がこんなに嫉妬するなんて。
結局本当に優しくすることは出来ず、Aを傷つけないように自我を保つのが精一杯だった。
息が上がりベットに倒れ込むように寝ているAに、
“水取ってくる”と頭を撫で下に落ちているTシャツを着ると部屋を出た。
ハンに“今は宿舎に絶対入るな”とメッセージを送り、部屋に戻る。今日誰も居なくてよかった。
『A水飲んで』
「っ、ありがとう」
体を起こし水を飲んでいるAは、頬を赤め少し汗ばんでいて色っぽい。
その乱れた髪も、汗ばんだ肌も、その身体も。
ヨンボクが見た…？
そう考えるだけで眉間にシワがよる。
「ヒョンジナ、」
『ん？』
「誤解だよ」
『…何が』
ヨンボクとはやってないって突き通す気か？
「してないの。本当に」
“ヨンボクの冗談だよ”と続くAは、
どうも嘘をついているようには見えなかった。
『じゃあ何で今まで黙って…』
「それは…何故かヨンボクが言わないでおこうって」
『………』
もしかして、俺で遊んでたか？ヨンボクのやつ。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年9月5日 22時
