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「ヨンボガ〜」
『A〜』
約1ヶ月ぶりに宿舎に遊びにきたAを、
当たり前のように出迎える。
俺に気づいたAも名前を呼んで駆け寄るも、
隣にいたヒョンジンに手を捕まれAとの距離は縮まらない。
ヒョンジン『A今日はダメ』
「いつもダメじゃん」
『久しぶりなのに』
と2人でヒョンジンを睨むようにして見るも、
お構い無しにAを部屋に連れて行こうとする。
「えーせっかくヨンボク来てくれたんだから話そうよ」
とヒョンジンに言ってくれるAは、
部屋に行くのをやめてリビングのソファに座る。
『相変わらず優しいなあ』
ヒョンジンをみると、あからさまに不満そうな顔をしながらも、Aの隣に座ってくれた。
「元気してた？」
『うん〜Aは？』
「もちろん元気だよ」
ヒョンジン『次いつ会えるか分からないのに』
と呟くヒョンジンは、Aの肩を抱き
“ヨンボクと話すのは少しにしろよ”と続く。
俺のことはいつまで経ってもみんなより厳しい。
「ん、分かった」
と答えるAは気を遣っているのか、俺をみて苦笑いしている。
まったく。
こんだけ独占欲が強いとAも大変だな。
『ヒョンジナ』
Aから目を離すことないヒョンジンは、
俺が名前を呼ぶとようやく顔をこっちに向けた。
『俺とAがどこまでやったか知りたい？』
「え、？」
俺がそう言うとヒョンジンもAもビックリした表情で、俺を見る。
ヒョンジン『言え。早く。』
「ヨンボク、どうしたの」
ヒョンジン『Aは黙って』
『言わないと永遠と聞いてくるからさ』
「……でも」
言って欲しくないのか、
俺とヒョンジンの顔を交互に見ながら言葉を失っているAに、申し訳なくなる。
ヒョンジン『で？早く』
『1つ言うけど、もう過去の話だから』
ヒョンジン『うん』
『俺とAは、全部したよ』
「え…」
俺がそう言うとAは驚いた顔をして俺を見る。
その隣でヒョンジンは俺を睨み小さなため息をついていた。
ヒョンジン『だと思ったよ』
まあ、嘘なんだけど。
“嘘だよ”と伝えようと口を開こうとするも、
その前にヒョンジンはソファから立ち上がり、
Aの手首を掴んで、部屋の方へと向かう。
ヒョンジン『…ヨンボガ、宿舎戻れよ』
部屋に入る前に俺を見てそう言うとドアが閉まる。
あ、行っちゃった。
A、ごめん。
冗談で言ったつもりだったのに。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年9月5日 22時
