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ヒョンジン side
『A』
「ん?」
『ごめん』
「ハハ、大丈夫だよ」
疲れてベットに横になるAに謝ると、笑って大丈夫だよと俺を見る。
いつもと違うヒョンジンでビックリしたけど、
と続くAはベットに座っている俺の手を握る。
「何かあったの?」
『何も』
「……そう?」
少し怪しんだ様子で俺を見るが、
Aはそれ以上は聞かない。
“明日動けるかな”なんて言いながら布団にもぐるAに、申し訳なくなり一緒に布団に入ると腰に手を当てる。
『ごめん』
「謝らないで」
そう俺の腕の中にいるAは目を閉じる。
それを見ながらAが眠るのを待った。
しばらくすると寝息は深くなり、
俺の手を握っていた力は弱くなる。
『……』
Aが居なくなったら俺はどうするんだろう。
今は、離れられない。
離れたくない。
自分が思っている以上にAの存在はでかい。
『……おやすみ』
寝ているAを強く抱きしめると目を閉じた。
──────
『A、』
「おはよう」
目を覚ますとAは隣にいなかった。
体を起こしリビングに向かうとAはソファに座り、コーヒーを飲んでいた。
『おはよう』
「コーヒー飲む?」
そうソファから立ち上がるAに
“うん”と頷くとキッチンに向かうAを追う。
「ん?」
『ありがとう』
キッチンにいるAに後ろから抱きつくと、
“危ないよ”とコーヒーを入れる手が止まる。
手を止めたAが俺の方を向き直すと、
背中に手を回して抱きしめる。
それが嬉しくて抱きしめ返すと、
「なんか、付き合ってるみたいだね」
と一言呟くAは、俺から体を離す。
『なんで離れんの』
「え?」
『…………』
「私たち付き合ってないじゃん」
そう笑うAは俺から背を向けコーヒーをいれる。
確かに、その通りだ。
何も言い返す言葉が見つからず、キッチンから離れる。
“はいどうぞ”とコーヒーを机に置くAに
“ありがとう”と返し口に運ぶ。
俺がお互い干渉するのはよそう。
外で会うのはやめよう。
Aから連絡するのは極力避けてほしい。
そう最初に色んな条件を言ったのは俺。
Aは1つも破ったことはない。
むしろ破っているのは、俺の方だ。
正直こんなに関係が続くとも思わなかったし、
Aの行動、言動が気になるとも思わなかったから。
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年3月29日 23時