a convenient relationship (ページ5)

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ヒョンジン side

ハン『今日夜みんなで飯食おうって』

用事があるというAが家を出る前に宿舎に戻った。

ベランダで絵を描いていると、
ハンが窓から顔を出して俺に話しかける。

『夜？』

ハン『うん。ヨンボクとスンミンは用事があるみたいだけど』

『ふーん』

ハン『昨日は？』

『え？』

ハン『どうせ、Aちゃんのとこだろ？』

そうニヤニヤして俺をみるハンを無視して、
絵を描き始めると“図星だな”と後ろから声が聞こえムッとする。

『ほっとけ』

ハン『好きなんだな』

好き？
そりゃまあ、嫌いじゃないけど…

ハン『へぇ、そうなんだ』

『……』

いや、何も言ってないし。

何故かニヤニヤしているハンは部屋に戻っていく。

好き、か。

…Aは俺のこと何とも思ってないだろうけど。

──────

メンバーみんなとご飯を食べ終え、宿舎に戻る。

Aはもう家に帰ってるかな。

“家にいる？”

宿舎の方をみんなで歩きながら、メッセージを送る。

リノ『ヒョンジナ』

『？？』

前を歩いていたはずのリノヒョンが俺の名前を呼び、顔を上げる。

リノ『最近どう？』

『え？』

急に？なんだ？

リノ『たまにそっちの宿舎行くけど、部屋にいないし』

『…ああ、』

リノ『まだ続いてんだ？前電話してた子』

『……はい』

リノ『そう。好きなの？』

『……分からないです』

“好き”って認めるのが怖い。

俺はアイドルで、Aは一般人だし。

リノ『ふーん』

リノヒョンから聞いてきたのに興味無さそうに返される。

でも、内心は心配してくれているんだろう。

『……会わないほうがいいですか？』

リノ『好きにしたら？』

『え？』

リノ『会うなって言っても会うんだろ？』

そう笑うリノヒョンに、力が抜け笑みが浮かぶ。

俺だったら、
メンバーがどこの誰だかも知らない女と会ってるって、
言うもんなら、全力で止める。

なのにチャニヒョンもリノヒョンも、別に止めはしなかった。

リノ『ただ、いつ撮られるか分からないから気をつけな』

『はい…』

リノ『宿舎戻って二次会だってよ、抜けるなら今のうちだぞ』

と俺の肩を叩き、前を歩くみんなのところにリノヒョンは戻って行った。

“家にいるよ”

そのAからのメッセージを確認すると、
真っ直ぐ歩いて行くみんなを横目にAの家の方向へと、体を向けた。