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35 (fx) ページ35

Felix side


ホテルの前についたとAからメッセージが入り、
部屋から外を覗く。

Aを見つけると、自然と口元が緩む。


ん?誰かと電話してる?


しばらく外にいるAを見つめていると、
誰かに手を掴まれているようだった。


行かないと、

そう体は勝手に動きホテルの外に出る。



俺が見た時はAが手を掴まれていたのに、
今は、Aが手を掴んでいる。


しかも、なんでヒョンジン…?



Aに電話をかけると、
Aは俺の電話に出ようとせず、ヒョンジンの手を離さない。


「今日、来る?」

そうAの声が聞こえ、思わずAの名前を呼ぶ。
後ろから声をかけると、Aは掴んでいた手を離しビックリしている。


『ヒョンジン、何でここに?』


『リノヒョンとご飯に行ってて、たまたま』


『そう……A?』

何も言わないAの顔を覗くと、

「…ごめん、行こ」


とAは1人でホテルの方に歩いていく。



『何してたの?』


いつ、Aと仲良くなったんだろう。

来る?ってどこに?なんの話?


『別にたまたま会っただけ』

『…たまたま?』


たまたまで、手を掴むことがある?



『早く行ってやれよ』
と笑うヒョンジンに聞きたいこともあったが、
先に歩いていくAを追いかけた。




部屋に入り、ソファに座るAは下を向いて話さない。


『A』


「ん?」


『どういうこと?』


「え?」


『ヒョンジンといつ仲良くなった?』


「たまたま会っただけだよ」


『じゃあ、どこに誘ってたの?』


「……え?」


聞いていないと思っていたのか、
ビックリした表情をみせるAは俺を見て固まる。


『言い訳するならして』


「………ごめん」


『何がごめん?』



「……話せない」


『え?』



「私は何も言えない」


とハッキリ言うAに、呆れてしまう。


『言わないと分からない』


「……そうだよね、分かってる。でも言えない」


“ごめん”そう下を向くAは泣きそうになっている。

どういう事?


何が言えない?


ヒョンジンとなんかあるってこと?


『………A、俺の事好き?』


「え?」



今まであんなに相手にされてなかったのに、

急に好きだから、なんて今思えば変な話だ。



今だって、すぐに“好き”とは答えない。


『なんで俺と付き合った?』


「……好きだから、だよ」



目が合うことはないAに、返す言葉は出なかった。

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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年3月29日 23時

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