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ヒョンジン side
ご飯を食べ終え、リノヒョンと宿舎に帰る。
コンビニに行きたいと言うヒョンを外で待っていると、
Aらしき人物がみえて目で追う。
道路を挟んだ反対車線にいて、Aなのかハッキリしない。
チラっとコンビニを覗くと、
リノヒョンはまだ店内を見回っているのがみえ、
Aに電話をかけた。
『もしもし？』
と反対車線を見ると、携帯を取りだし電話にでている。
「もしもし？」
やっぱり、Aだ。
ちょうど信号が青になるのを確認すると、
Aがいる反対車線へと渡る。
『何してるの？』
「今、ちょっと外に出てて…あ、もしかして、家に来てくれた？」
『ううん違う。ただ何してんのかなって』
「……なにも」
そう言いながらもAは歩きだしていて
すぐ目の前にあるホテルに入ろうとしている。
え？なんで、
『A』
目の前にいるAの腕を掴むと、
ビックリした表情をして俺をみている。
「なんで、ここに…」
『Aこそ、なんでホテルに』
「…え？ああ、それは…」
ああ、そっか。
『ヨンボクか』
「…うん」
“うん”と返事をするAの腕を離し、
“楽しんで”とAに背を向ける。
「…待って、」
歩き出した俺の腕を掴むAに、振り返る。
『ん？』
「……いや、その」
別に用は無さそうなAを不思議に思っていると、
Aの携帯が鳴る。
『出なよ』
「……うん、」
うんと呟くAは電話に出ようとせず、俺の腕を離さない。
どうしたんだ？
何かあるなら言えばいいのに……
リノヒョンも戻ってくるだろうし、戻らないと。
「ヒョンジナ、」
『ん？なに？』
「今日、来る？」
『え？』
Felix『……A？』
ホテルから出てきたのか、帽子を深く被りマスクをつけたヨンボクが不思議そうに俺らを見ている。
俺の手を掴んでいたAの手は離れ、
ヨンボクの方を振り向き驚いた顔をしている。
「……」
Felix『ヒョンジン、何でここに？』
『リノヒョンとご飯に行ってて、たまたま』
Felix『そう……A？』
「…ごめん、行こ」
Aは1人でホテルの方へと歩いていく。
Felix『何してたの？』
『別にたまたま会っただけ』
Felix『…たまたま？』
ヨンボクはAが俺の手を掴んでいたのを見ていた。
疑うに決まってる。
『早く行ってやれよ』
うんと呟くヨンボクは、小走りでホテルの方へ戻って行った。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年3月29日 23時
