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ヒョンジン side
『A、電話鳴ってる』
「うん。でも今はいい」
ベットに横になるAは、俺の腕の中に収まる。
ずっと鳴っている携帯は触ることはなく、
俺を見て話をしてくれる。
『電話、ヨンボクじゃない?』
「………」
『出ていいよ』
「…今はいい」
『そう』
俺がいる時は、出ないってことか。
優しいのか、残酷なのか。
俺の方を見るAにキスをしながら、抱きしめる。
『A』
「ん?」
Aの背中を爪を立てながら撫でると
ふふっ、とくすぐったいのか身をよじるA。
『俺またここにくるから』
「……うん、」
『合鍵も返さない』
「うん」
『ヨンボクをこの家に誘わないで』
「…うん」
Aは何も否定することなく、“うん”と答える。
ヨンボクには悪いと思っているが、
俺はAが好きだ。
『……』
腰を撫でながらAを見つめ、
キスをしようと手を頬にやれば自然とAは目を閉じる。
Aと何度も唇を合わせ、小さな声が漏れ、酸素を求めて口があく。
それを逃すことなく舌を絡めると、いつも通り声をだすAに口角があがる。
『…可愛い、』
「っ、…」
そのまま何も身につけていないAの、
首筋、胸、お腹…とキスを落とす。
「、ん…っ」
ずっと鳴っているAの携帯のバイブ音を聞きたくなくて、Aが漏らす声に集中する。
「ん、ヒョンジン…っ、」
『なに?』
「…っぁ、…ん、」
『我慢すんな』
声を出さないようにと我慢をしているAに、
我慢するなとキスをする。
「っん、…あ、」
それでいい。
俺だけで満たされればいい。
────────
Aがシャワーを浴びている間に、スマホを開く。
ヨンボクからのメッセージが来ていて、
少し戸惑いつつトーク画面を開く。
“宿舎に居ないでなにしてんの?”
“Aが電話にでない”
と2件のメッセージが届いていた。
罪悪感が少し襲い、スマホを触る手が止まる。
ヨンボクに返事をすることなくスマホを閉じ、
Aがシャワーからでてくるのを待った。
「起きてたの?」
と俺が起きていることにビックリしながら、
俺の隣に座るAは、嬉しそうに笑っている。
「寝てて良かったのに」
『一緒に寝よ』
そうAの手を取りベットの中に入れると、
“おやすみ”と声が聞こえAが俺を抱きしめる。
Aの背中に手を回すと、目を閉じた。
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年3月29日 23時