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ヒョンジン side
久しぶりにAの家に向かう。
最後に会ってから1週間は経っただろうか。
『A』
「おかえり」
何も変わらない、いつものAが俺を出迎えてくれる。
その表情に安心しAを抱きしめる。
「…どうしたの」
とAが俺の背中に手を回すのを感じ、少しムッとする。
ヨンボクと付き合ってんのに。
今までと何も変わらない。
じゃあ何で俺を選ばない？
『何でヨンボクと付き合うんだよ』
「………ダメだった？」
『………』
ダメって言ったら、付き合わないのかよ。
その前に俺を選んでと伝えたはずなのに。
「ヒョンジン、苦しいよ」
『ごめん』
おもわず強く抱き締めてしまい、Aから体を離す。
「なんか飲む？」
とキッチンの方へ向かうAに
“いらない”と返事をしてソファに座る。
少しするとAも隣に座り、口を開いた。
「ヒョンジン」
『何？』
「私たちは何も変わらない」
『え？』
「でも、ヒョンジンが決めていいよ」
『…なにを』
「今後会うか、会わないか」
『ふっ、余裕だな』
表情を変えずに残酷なことを言うAに、驚いて笑ってしまう。
「え？」
隣に座るAの方へ体を向け、キスをすると
いつも通りAは受け入れる。
「っ…、」
『そんな悪い女だったんだ』
「え、…っ」
そんな俺も最低な男だけど、
今の俺にはAが必要だった。
深く、何度も何度もキスを繰り返す。
その度にAは声をもらしながらも、俺の首に手を回す。
そのままソファに押し倒すと、
目を潤ませ俺を見つめているAは
俺のTシャツを自分の方へと引っ張りキスをせがむ。
『っ、』
今までのAは、そんなことしなかったのに。
それに応えるように激しくキスをする。
「…っん、はぁ、」
ヨンボクにも、こんなことをしているんだろうか。
こんな時にもそんな嫉妬をしている自分に、情けなくなる。
目の前にいるAは、何を考えているかも分からない。
「…っぁ、」
着ているTシャツを上に捲り、胸に軽くキスをする。
Aが声を出し俺の腕を掴む。
そうやって、俺だけを求めて。
『俺だけ見て』
「っうん、…みてる、よ」
今だけじゃなくて、これからも。
『………』
「…っん、ヒョンジン、」
そうやって、俺の名を呼んで。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年3月29日 23時
