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ヒョンジン side
Felix『何話してたの?』
『ん?料理のはなし』
ヨンボクは何かを話しているのが聞こえたのか、
不思議そうに質問をする。
Felix『綺麗だろ、A』
『そうだな』
Felix『全然振り向いてくれないんだけどね』
そうヨンボクは寂しそうに笑ってお肉を頬張る。
振り向いてくれない。と聞いてどこか安心している自分がいる。
Felix『なんか、アドバイスしてよ』
『え?アドバイス?』
アドバイスって……
俺だってAのこと、好きなのに。
Felix『なんか、ない?』
『う〜ん、ヨンボクらしくいればいいよ』
Felix『俺らしく?』
『そう。ありのままで』
アドバイスというアドバイスをしたつもりではないが、
ヨンボクは真剣に受け止め何か考えているようだった。
Aが戻り、ヨンボクの隣に座る。
さっきから、Aは俺と目を合わそうとはしない。
ご飯を食べ終わると、
ヨンボクが会計を済ませトイレへと向かった。
個室に2人になり、口を開く。
『家で待ってるから』
「……うん」
『早く帰ってきて』
「ヨンボク次第かな、」
『だめ早く』
「そんなに遅くなることはないよ」
『………』
平然と話すAを見つめていると、個室のドアが開く。
Felix『おまたせ、行こっか』
「うん。ご馳走様」
ヨンボクが帽子を深く被りマスクをつけると、
Aをエスコートして歩きだす。
ヨンボクがそんなことするなんてなぁ。
Felix『ヒョンジナありがと』
『うん、またな』
Aをみると俺に軽く会釈をしている。
ヨンボクに手を振ると2人が歩いていく姿をみつめた。
──────
Aの家に帰り、ソファに座る。
Aとヨンボクが幼なじみなんて知らなかったし、
ヨンボクがつけていた香水の匂い。
あれは前にAから匂いがしたものやつだ。
あの時お酒を飲んで帰ってきた日は、ヨンボクと飲んでたのか?
家に帰って2時間ほどが経ち、玄関の鍵が開く音が聞こえた。
やっと、帰ってきた。
Felix『またね』
「ありがとう。またね」
玄関のドアが開いたと思えば、Aとヨンボクの声が聞こえる。
Felix『A』
「ん?」
Felix『返事待ってるから』
そんな会話が耳に入り、暫くするとリビングの扉が開く。
「ただいま」
『おかえり』
ただいまと荷物を置くAに、
後ろからハグをすると、やっぱり香るヨンボクの香水。
「シャワー浴びてくるね」
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年3月29日 23時