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ヒョンジン side
少しの時間一緒に過ごし、夕方Aは家を出た。
のんびりソファでテレビをみていると、携帯が鳴る。
“18時に予約してる”
“個室だし先に行ってても大丈夫だから”
そうヨンボクから連絡が入り、
時計を見ると17時を過ぎていて急いでAの家を出た。
Felix『よっ』
お店に先に着きヨンボクを待っていると、
個室の扉が開いてヨンボクが顔をだしている。
『おう、来たか』
Felix『A来て』
A……？
『…………』
ヨンボクが個室に入り、後ろにいた女性に驚く。
Aが立っている。
そんなAも俺を見て一瞬驚いた顔をしたものの、
すぐに表情を戻し、“初めまして”と俺に挨拶をする。
「Aって言います」
そう名前を名乗るAは、気まずそうに笑う。
『ヒョンジンです』
Felix『実は、Aにも言ってなかったんだ』
『そうなんだ』
それにしても、本当にAは俺のこと検索してないんだな。
検索したらヨンボクの顔は絶対出るはずだし、
ヨンボクが幼なじみなんて、知らなかった。
俺の目の前に、Aとヨンボクは隣同士で座る姿を見て胸がざわつく。
嫉妬してんのか俺？
Felix『Aはアイドルとか興味無いから、ヒョンジンのことも知らないでしょ？』
「え？あ、うん…そうだね」
『残念。もっと頑張らなきゃな』
「…………」
Felix『そうだな〜Aは歌も聞かないから』
『へぇ、』
確かに。歌を聴いてるところ見たことないなぁ。
「へへ、ごめんまた聞くね」
寂しそうに笑うヨンボクに、Aはごめんと微笑んでいて、その姿にまた苛立ってしまう。
Felix『料理、頼もっか』
「そうだね」
──────
料理を食べ、お酒を飲み、1時間ほどが経った。
ヨンボクがトイレへと席を立ち個室から出ていく。
『幼なじみってヨンボクのことだったんだ』
「まさか、こんなところで会うなんて」
そうAは、余裕そうに微笑みワインを口に運ぶ。
『ヨンボクは俺らの関係知らないもんな』
「……そうだね」
『A』
「ん？」
『ヨンボクのこと好きなの？』
「…え？へへ、どうだろうね」
“違う”
そう答えてはくれない。
『…ダメ』
「え？」
『Aは、俺の隣にいてくれなきゃ』
「……………」
Aが何も言葉を発さない。
沈黙が続き少しするとヨンボクが戻ってくる。
「私も、お手洗い」
とAは席を立った。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年3月29日 23時
