18 (hj) ページ18
ヒョンジン side
朝目を覚まし、Aにメッセージを送る。
“今日の夜行くね”
そうメッセージを送り目を閉じようとすると、
ドアを叩く音がなり、返事をする間もなく扉がひらく。
Felix『ヒョンジナ、今日18時ね』
『ん、分かった』
Felix『じゃあ俺は新しい洋服買ってくるから』
俺の部屋に顔を出したかと思えば、
ニコニコ笑顔で服を買いに行くと言い去っていく。
『よっぽど、楽しみなんだな』
なんせ仕事1日が休みなんていつぶりだろうか。
まだ朝の10時だし、ゆっくりしよう。
そう携帯をいじるとAからメッセージが返ってきていた。
“今日は家にいない”
『え、』
なんだよ。最悪。
“昼は？”
“昼は家にいるよ”
そう返事がきて、布団から飛び出て、
シャワーを浴び簡単に準備をすると家を出た。
『A〜』
合鍵を使いインターホンも鳴らさずに家の中に入る。
“おかえり”
そう声が聞こえた方向を見ると、Aは髪の毛を巻いていて、なんだかオシャレをしているようにみえた。
『お洒落してどこ行くの』
「幼なじみとご飯に」
『ふーん』
また“幼なじみ”かよ。
『男？』
「うん。」
うん。！？
勇気をだして質問したのを1秒もかからず返事をされ、
尚且つ“うん”と一言衝撃な答えで、体が固まる。
『2人で？』
「そうだよ」
『…………』
えっと…嫌だけど、“嫌”とは言えないし、
行って欲しくないけど、“行くな”とも言えない。
「別にお洒落してるわけじゃないよ」
“外出する時ぐらいは髪も巻くし、化粧もするよ”
そう続くAにかける言葉はない。
「ヒョンジン？」
何も話さない俺に髪を巻き終わったのか、
俺のところに来るAは不思議そうな顔をしている。
『……』
「どうしたの？」
普段化粧をしてなくても可愛いし、
髪をまとめていても、セットしていなくても可愛いし、
Tシャツ姿のAも可愛い。
でも、目の前にいる綺麗に化粧をして、髪も巻いて普段あまり見ることのない私服を着ているAは、いつもよりはるかに可愛い。
『……』
「ん？」
『帰ってくんの待ってる』
「え？」
『早く帰ってきて』
困った顔をして笑うAは、何か言おうと口を開こうとしていて、
それを聞きたくない俺はAにキスをする。
「っ、ヒョンジン」
『待ってる』
“でも……”と口を開くAにもう一度キスをすると、
Aはそれ以上は何も言わずに微笑んだ。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年3月29日 23時
