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ヒョンジン side
はぁ、いつぶりだろうか。
やっと。やっと、時間ができた。
『A〜』
Aに連絡することなく家に向かうと、
ソファに寝ているAを見つける。
『…………』
寝息を立てるAを起こさないように、
優しく頬にキスをすると、少しだけ動き身をよじる。
2時間ぐらいしかいれないのになぁ、
起こすのは悪いとは思いつつも、
やっぱり、起きて欲しくてちょっかいをかけてしまう。
Aの唇にキスをするもあんまり反応はなく、
何度も、何度もキスを繰り返す。
「……、ん」
薄らと目を開けたAは、
俺がいることにビックリして起き上がる。
「っ、ヒョンジン」
『久しぶり』
「…いつ帰ったの」
『さっき』
「そう、おかえり」
そう俺を微笑むAを見て、つい抱きしめる。
落ち着くなぁ…
『A』
「ん？」
『お風呂、一緒に入る？』
「え、？」
冗談で言ったつもりが、Aは体を固める。
『ハハ、冗談だよ。少ししかいれないから』
「そっか。なにか飲む？」
『うんありがとう』
Aがキッチンに行こうと立ち上がるも、
俺はAについてまわる。
「座ってていいよ」
俺に気を遣ってくれているのは分かるが、
なんせ時間は少ししかないし、次またすぐに会えるわけではない。
Aを後ろから抱きしめると、
何も文句を言うことなく器用にコーヒーをいれている。
『最近は何してた？』
「ん〜家でのんびりしたり、友達と遊んだり」
『友達？』
「私にだって友達ぐらいいるよ」
『ふーん』
俺はAのこと、本当に何も知らない。
友達のことも、家族のことも、仕事のことも。
「ヒョンジン、座ろう」
ぼーっと考えているとAはコーヒーをいれおわったのか、“座ろう”と歩き出す。
『ありがとう』
ソファに座ると、Aからコーヒーを受け取る。
隣に座るAは久しぶりに会うのに、
これといって嬉しい表情もせずいつも通りだ。
俺ばっかり、
『俺、Aのこともっと知りたい』
「え？」
『気になるんだよ、Aのこと』
「最初の条件と違うね」
と微笑むAは、どこか余裕そうで、
俺と距離を取っているように感じた。
そんなAに寂しいと思ってしまうし、
こんな忙しい仕事の合間でも、Aに会いたいとさえ思ってしまう。
俺はAのことが、好きだから。
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年3月29日 23時
