forgiveness

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アイエン side


綺麗な格好をして家に来たかと思えば、
今日もヒョンにまた約束を破られたようだった。


泣いたんだろうか？
少し目が赤くなっている。


『ヒョンは本当に酷い男です』

俺がそう言うと、Aヌナは珍しく、そうかもね。と返事が返ってくる。


『そうです、ヌナの悲しんだ顔見たくないです』

「イエニは優しいね。ありがとう」

『ちゃんと話し合って下さい』

「え？」

『何もなかったことにしちゃうと、繰り返しますよ』
そう話すとヌナは黙り込んでしまう。


どうせヌナのことだから、
会えなくなった理由も聞いてないだろうし、
またいつもみたいに“埋め合わせする”とか言われてるんだろうな。


『ご飯食べましたか？』

「…まだ」

『なら、食べ行きますか？』
そう尋ねると、ヌナはうん。と頷いた。


お店に着き、ご飯を頼み
元気のないヌナに、これ食べてと勧めながら話をする。


「イエナ」

『ん？』

「ありがとう」

やっと口を開いたかと思えば俺を見てお礼を言う。

『別にお礼を言われるようなことしてません』

「私、イエナが居なかったらどうなってただろう」

『ヌナはヒョンに優しすぎるから』


怒らない。言い返さない。すぐ許す。
ヒョンはやりたい放題するだろう。

現に他の女の人と腕組んで歩いているの見ているし。


「ヒョンジンも私に優しいから」


『…そうですか』


本当、ヒョンのことを信じているんだな、
ヒョンのことを話すヌナは幸せそうに笑う。

何度約束を破られても、連絡が返ってこなくても。


悲しんでいる姿を今まで何度見ただろう。
その度に、俺じゃダメ？この一言を言うのに我慢する。



「イエニもいい人が現れるといいね」

俺の気持ちも知らないで、ヌナは余計な心配をする。


『僕はヌナのお世話で忙しいので』


「え〜そんな事言わないで」


そう笑うヌナは、少し元気になったみたい。
とりあえず笑ってくれて良かった。


〜♪

テーブルに置かれたヌナの携帯が鳴り、
目を向けると“ヒョンジン”と表示されているのが見えた。


ちょっとごめん、と席を立つヌナを目で追う。
外に出て電話にでるヌナは、嬉しそうに笑っている。


さっきまで約束を破られて泣いていたのに。

ヌナから目を逸らし、お酒を流し込んだ。

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