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イエニが帰ったあと、
シャワーを浴びてソファでゆっくりする。
携帯をみていると、前に連絡がきていたスアって人のメッセージが目に入る。
“ヒョン、他にも女がいます”
その瞬間、イエニの言葉が蘇り鼓動が早くなる。
この、スアって人もしかしたら何か知ってるのかな…?
ヒョンジンはこの人のこと知らないって言ってたけど、本当は何か隠してる?とか…
そんなまさか、ね。
“話したいことってなんですか?”
考えに考えた末、返信を送ることにした。
5分もしない内に返信がくる。
“会って話したいです。”
明日の19時はどうですか?と続く返信に、大丈夫ですと返事をする。
場所はここで、と駅前のカフェで会うことになった。
───────────
次の日仕事が終わりカフェに向かう。
19時前になると、ある1人の女性がカフェに入ってくる。
あの人かな?
そんなことを思っていると、その人は真っ直ぐこっちに向かって歩いてくる。
『スアです』
そう名前を言う女性は、
以前ヒョンジンから香った香水の匂いがした。
「初めまして。Aです」
『どうも。実物の方が可愛いですね』
「え?」
『ヒョンジンも悪い男だよね』
「…どういうことですか?」
『単刀直入に言うと、ヒョンジンには他に女がたくさんいます』
「……え?」
イエニと同じことを言う女の人は、
ビックリする私を見て何故か笑っている。
『信じる?』
「…何か証拠があるんですか?」
『うーん、私もそのうちの一人なんだけど、どうやったら信じるかな?あ、今からヒョンジンに電話かけてみる?』
そう言うと、鞄から携帯を取りだし
ヒョンジンの番号が乗っている連絡先の画面を私に見せる。
『かけるね』
と何も言わない私に女の人はそう言うと、電話をかけた。
携帯をテーブルに置き、スピーカーのボタンを押す。
緊張し、手に汗を感じる。
『もしもし』
何度かのコール音が鳴ったあと、ヒョンジンが電話に出る。
スア『今何してるの?』
『仕事終わって帰ってるところだけど』
スア『今から会えない?』
『今から?急だな』
スア『会いたい』
『この前のお詫びでもしてくれる?』
スア『もちろん。』
『ふっ、じゃあスアの家向かうわ』
スア『うん、また連絡して』
そう言い、電話は切られる。
私を黙って見る女の人に言葉を失い、何も話せない。
『これで分かった?
ヒョンジンのこと、良い奴と思わないほうがいいよ』
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belle(プロフ) - Kii123はじめまして!全作品読ませていただいたのですが、どれも感情を揺さぶられるものばかりでお話に入り込んでしまいました…Kii123が書くヒョンジンがどれも好きです、笑 次作も楽しみにしてますね! (9月3日 0時) (レス) id: a2ba23688b (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 次の作品も楽しみにしております!また、長々と失礼しました (2023年3月30日 2時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - Kii123さんの作品で一貫して好きなところはエンディングが後ろ髪を引かれるようなクセのあるところです。ハッピーエンドともバットエンドとも読者のその時の感情や環境によって変わるようなユーモアがありオリジナリティ溢れるところが大好きです。 (2023年3月30日 2時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - またいい作品をありがとうございます…Kii123さんの作品が大好き過ぎてちょっと落ち込んだ日とかに読んでるんです笑ずっとこの作品のことは知っていたんですがやっと読めました笑 (2023年3月30日 2時) (レス) @page39 id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年3月7日 23時