XXV -25-

10 (hj) ページ10

ヒョンジン side

Aは酔っ払っていたが、本当に何も言わなかった。

好きな人はいるの？
彼氏はいるの？
どこに住んでんの？
SNSはしているの？
なんの仕事をしているの？
普段はどこで飲んでいるの？

たくさん質問した。

答えは全部「秘密」の一言だった。

教えてくれたのは、好きな数字と嫌いな数字だけだ。


全く分からないAのことを
どうにかして知りたいと思ってしまう。


『来週飲み行こう』
そう送ったメッセージは返事が来ることは無かった。



ハン『Aから返事きてないなら、今日リノヒョンと3人で歓迎会しよう』

『は？返事くるかもしれないだろ』

ハン『もうその“来週”を通り越してるのに？』

すでに2週間は経っているだろう。
ハンのことを睨むと『もうお店予約したから。』と笑っている。

ハン『ヒョンジンが相手にされてない姿を見れて、俺は嬉しいよ』

『ほっとけ』


ていうか毎日のように家に来やがって。
ソファに寝転ぶハンを蹴って床へと落とし、ソファに座る。

ハン『なんだよ、痛いな』



結局Aからの連絡がくることはなく、ハンとリノヒョンで飲みに行く。

乾杯をし、みんなでビールを流し込む。
『んめぇ〜』

リノ『染みるなぁ』

ハン『ヒョンの歓迎会なんで、沢山飲んで下さい』


3人で飲みながら楽しく話していると、
知らない女の子達が何回か声をかけに俺たちの所へくる。

それを全て丁寧にリノヒョンが断っていて、
俺らは話に入る隙もない。


ハン『ヒョンは本当に彼女さん思いですね』

リノ『え？ああ、まあそうかな』

『ヒョンって浮気とかしたことあるんですか？』

リノ『え？…うん、昔に1回だけ』
そう苦笑いをするヒョンに、『お〜悪い男ですねぇ』と言うと、
『かなりその子を傷つけちゃったから』と続く。


ハン『リノヒョンにもそんな過去があったんですね』

リノ『後悔してるよ。その子にもし再会したら、正直揺らいじゃうかもな』
そう言うとビールを飲み、ため息をついていた。


『だから彼女つくると面倒なんですよね』

ハン『今気になってる人いるくせに？』

そうハンが暴露するとリノヒョンはすぐに、『え？そうなの？』と食いついてくる。

静かにハンのことを睨み『そんなんじゃない』と反論する。


ハン『別に隠すことじゃない』

リノ『そうだよ別に隠さなくても』

『もう、終わり。』

ハン『ハハ、連絡くるといいな』


それから2人にバカにされ俺のプライドはズタボロだった。

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