XXV -25-

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弟がこれなくなった個展に、イエニを誘った。

個展につくと、ここにいないはずのヒョンジンが入口に立っていてびっくりする。


イエニと個展を見て回るも、
頭はヒョンジンのことでいっぱいで頭がボーっとする。

『ヌナ、僕変なこと言っちゃってすいません』
ボーっとしているのが伝わったのか、イエニは不安そうな顔をして謝ってくる。

「え？ああ、彼氏って言ったこと？」

『はい。勝手に、すいません』

「ううん、いいの。そういうことにしてて」







絵を全て見終わり、外に出ようとすると
入口でまだヒョンジンが待っている姿がみえた。


「イエナ、ごめん。今日は先に帰って」
一緒に帰ろうとしてくれているイエニにそう伝えると、
また不安そうな顔をして私を見つめる。

『え？でも……』

「迷惑かけたくないから」

『分かりました』

「ここまで遠かったのに、ごめんね。」
ありがとうと伝えると、いつもの笑顔を見せて『はい。じゃあまた』と言い帰って行く。




「弟に聞いたの？」
そうヒョンジンに言いながら、いつも通り振る舞う。


それからは、質問をたくさんするヒョンジンに、
全て何も教えずに返答する。



『俺はAのことが好き。』
そう私に目を見て言うヒョンジンに、一瞬揺らいでしまう。


「だから、恋愛はしない、」
そういつも通りすぐに答える。

『さっきのやつとはするのに？俺とはしない？』

「…それは、」

『いつまで恋愛しないつもり？』

「もう……ほっといて」


話しても何も変わらない。
そう思いヒョンジンに背を向けて歩き出した。




どうせまた追ってくる。


そう思って歩き進めるも、来る気配がしない。



振り返りヒョンジンを見ると、私に背を向けて歩き出していた。






「まって……」


無意識に小さな声が出る。

ヒョンジンに届くはずもなく、
後ろ姿はどんどん小さくなっていく。


自分が決めたことなのに、
自分から距離を置いたのに、
離れていくヒョンジンをみて涙が浮かんだ。

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