32 (hj) ページ32
ヒョンジン side
Aが姿を消して2週間が経った。
相変わらず電話もメッセージも返事はない。
リノヒョンもそうらしい。
毎日送るメッセージに、既読はつくが返事がない。
既読になることで生存確認にはなる。
…呑気にそんなこと思ってる場合ではないけど。
もうAの居場所を知ってる身近な人は、Aの弟だけだ。
そう思い前のAの家、現弟さんの家に向かう。
インターホンを鳴らすとAの弟がでてきてくれる。
『はい。…ああ、あの時の。どうかしましたか?』
『Aと連絡がつかなくて。引っ越した場所を教えてとは言いません。ただ、会いたいんです』
『……』
俺がこんなストーカーみたいな事するなんてな。
Aに振り回されてばっかりだ。
『いつか、会う日とかがあれば教えて下さい』
そう言うと、Aの弟は少し黙りこむ。
『…ヌナ今度、好きな作家の個展に行くって言ってて、誘われたんですけど丁度予定があって行けなくて…』
その時ならこっちに来ると思います。と日付と場所を教えてくれた。
『僕が言ったって言わないで下さい。…まあ多分バレると思いますけど』
『うん。本当にありがとうございます。』
『頑張って下さい。ヌナも、あなたのこと気になってると思いますので。』
そう言うと、じゃあまたとドアを閉める。
その日まであと2週間はあるが、仕方ない。
もうこのまま会えないかもって思ってたから、2週間あれば会える。そう思おう。
──────
Aがくるであろう日、
朝早くから個展がある場所で待機する。
もうだいぶ寒くなったなぁ。
Aは元気にしているだろうか。
そんなことを考えながら待っていると、時間はあっという間に過ぎ昼になる。
まだこないなぁ。
そう思っていると、遠くにAらしき人物が見えた。
その瞬間、気づかれないよう身を隠す。
身を隠したあともう一度Aの方をみると、
そこには、隣には知らない男が立っていた。
誰だ?
近づいてくる2人は、楽しそうに笑っている。
その瞬間、体は勝手に動きAの前に出る。
「ヒョンジナ、?」
そう驚いた顔をしてこっちをみるA。
『久しぶり』
「なんでここに?」
『誰?』
「え?」
『隣のヤツ』
そうAをつい嫉妬心で睨んでしまう。
Aは戸惑いながらも、返事に困っている様子だった。
誰なの?ともう一度聞くと、次は隣のヤツが口を開いた。
『ヌナの彼氏です。』
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はぐきぐきぐき(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。Kii123さんの作品全てが大好きです☺️新しい作品も楽しみにしています❤️ (2023年3月13日 18時) (レス) id: 7acbc31d9a (このIDを非表示/違反報告)
Kii123(プロフ) - なのさん» ありがとうございます。お褒めの言葉とても嬉しいです!まだ慣れていないところが多く、修正しながら作っています。感想をいただくことですごく励みになります。アナザーストーリー考えてみます!次も楽しみに待ってていただけたら嬉しいです♡ (2023年3月5日 21時) (レス) id: 912d27462f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - Kii123様の作る小説の世界観に魅了され、何度も読み返しています。この表現は彼のこういう気持ちを暗示しているのかな、と思い巡らせることが私自身の作品の刺激ともなっています。次の作品も心よりお待ちしております。長々と失礼しました。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 今回の作品で、25という数字が出てきた時、真っ先に思い浮かんだのは、LKの誕生日、しかしmainはHJ.どのように展開になるのかワクワクしました。今回はmainが結ばれて良かったです。個人的には全ての作品のアナザーストーリーも知りたいと思いました。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - どのはなしでも全員の人間らしさが光っていて、普通にドラマ化しても遜色ないと思いました。Kii123様が脚本家になりドラマを作る暁には是非宣伝してくださったら嬉しいです。Kii123様の才能に賞賛すると共に少しの羨望を混ぜてこれからも応援させてください。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Kii123 | 作成日時:2023年2月19日 8時