25 (lk) ページ25
リノ side
Aの手を取り歩き、
気づけば2人でよく行ったBARについていた。
「私行きたくないって言ったのに」
『1杯だけ』
荷物は置いてきちゃったけど、財布はズボンに入ってるし。
そう思い嫌がるAを店の中へ引っ張った。
2人でワインを頼むと、乾杯をする。
『店、変わってないね』
「リノは本当に、ひどい男だよね」
そう言うAは俺と目は合わせない。
下を向き、ワインをみながら口を開く。
『え？』
「私、ここでリノに振られてるんだけど。覚えてない？」
覚えてるよ。
あの瞬間を俺はずっと後悔して生きてきた。
そう答えようと口を開こうとするも、
その前にAが話始める。
「リノの浮気に気づいてないって思ってた？」
『え？』
「長い間、浮気してたの気づいてたよ本当は。」
と衝撃的なことを言うA。
「私の親友と隠れてコソコソと。あの時はリノのこと好きだったから、別れたくなかったから何も言わなかった。都合いい時だけ私を呼んで、いらなくなったら捨てた」
『…そういうつもりじゃ、』
「浮気に気づいてたけど、リノは私の前ではすごく優しくて好きって演技してくれてたからまだ我慢できた」
『…Aのこと本当に好きだったよ』
「でも、リノは私の親友を選んだ」
そうでしょ？と俺の目を見て言うAに、目を逸らしてしまう。
『後悔してる』
「私も後悔してる。リノを好きになったこと」
『え？』
「私はこのお店にいい思い出は無い」
「もう帰るね。バイバイ」
とワインを一気飲みして席を立つA。
『A待って、』
咄嗟に腕を掴むと、俺はごめんと謝る。
「リノのこともう好きになることはない」
そう言いAは俺の腕を振り払って店の外へ出ていく。
俺は引き止めることができなかった。
Aは俺と付き合ってる時も、よく告白されていた。
もちろん俺と付き合っているって断ってくれていたけど、
俺じゃなくてもいいんじゃないか、
なんで俺なんかと付き合ってるのか、
そんなことばかり思って自信がなかった。
もちろん、そんなの言い訳に過ぎない。
Aが俺の事好きでいてくれているのか分かっていた。
でも、やっぱりどこか不安で心配で。
別れたくないというAに対して
“Aのこと好きと思ったことなんて1度もない”
そう言ってしまった。
あの時のAの顔は忘れない。
既に別れ話で涙を流しているAは、
俺の言葉を聞いて驚き、悲しみ、言葉を失っていたから。
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はぐきぐきぐき(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます。Kii123さんの作品全てが大好きです☺️新しい作品も楽しみにしています❤️ (2023年3月13日 18時) (
レス) id: 7acbc31d9a (このIDを非表示/違反報告)
Kii123(プロフ) - なのさん» ありがとうございます。お褒めの言葉とても嬉しいです！まだ慣れていないところが多く、修正しながら作っています。感想をいただくことですごく励みになります。アナザーストーリー考えてみます！次も楽しみに待ってていただけたら嬉しいです♡ (2023年3月5日 21時) (レス) id: 912d27462f (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - Kii123様の作る小説の世界観に魅了され、何度も読み返しています。この表現は彼のこういう気持ちを暗示しているのかな、と思い巡らせることが私自身の作品の刺激ともなっています。次の作品も心よりお待ちしております。長々と失礼しました。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 今回の作品で、25という数字が出てきた時、真っ先に思い浮かんだのは、LKの誕生日、しかしmainはHJ.どのように展開になるのかワクワクしました。今回はmainが結ばれて良かったです。個人的には全ての作品のアナザーストーリーも知りたいと思いました。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - どのはなしでも全員の人間らしさが光っていて、普通にドラマ化しても遜色ないと思いました。Kii123様が脚本家になりドラマを作る暁には是非宣伝してくださったら嬉しいです。Kii123様の才能に賞賛すると共に少しの羨望を混ぜてこれからも応援させてください。 (2023年3月5日 10時) (レス) id: 65273ce06c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kii123 | 作成日時：2023年2月19日 8時
