how to forget you (ページ6)

今日:3 hit、昨日:28 hit、合計:41,312 hit

6 ページ6

ヒョンジンが何も気づかずに私の目の前に座る。

『ヌナ？』

下を向いている私にヒョンジンが声をかける。
顔をあげると自然と視界に入るチャニと綺麗な女性。

2人は腕を組んだまま仲良さそうにコーヒーを選んでいる。

『ヌナ？どうしたの』

「ん？いや、何も」

『ボーっとしてる』

「ごめんごめん、」

なるべく顔を上げないように話をしていたが、
チャニが店内の席の方を見たと同時に目が合ってしまう。

少しビックリした顔をしたチャニは、
すぐに目を逸らし女性の方をみる。

少し離れた場所に座る2人を横目に見ながら、
チャニに知らないフリをされたことに落ち込む。

『ヌナ〜』

「ん？」

『またボーっとしてる』

ヒョンジンはコーヒーをすすりながら、
拗ねた顔をしてこっちを見ている。

「ああ、ごめん、」

『今度映画でも見に行こ』

「うん、いいよ」

『決まりね。...天気いいから外でも歩く？』

「うん行こう」

ヒョンジンが外へ誘ってくれてすぐにカフェを出る。
もう2人を見なくて済むから良かった。

それから近くの公園のベンチに座って話をする。

『ヌナって今まで何人の人と付き合いました？』

「え？急に？」

その人数を知ったところで何になるんだろうか。

『じゃあ質問変えます。...チャニヒョンのこと、忘れられませんか？』

「.......」

またも急な質問で言葉が詰まる。
ヒョンジンは私の目をみて返事を待っている。

「えっと、どうかな、」

『...』

「別れたのもだいぶ前だからさ、......ね」

ね、と言葉を濁しヒョンジンの顔を見ると、
拗ねた顔してこっちを見ていた。

『ヌナは綺麗で性格もいいのに、』

「そんなことないよ」

『チャニヒョンが羨ましいです』

そう口を尖らせながら言うヒョンジンが可愛くて
つい微笑んでしまう。

『なんで笑うの』

「え？へへ、可愛いなって、」

『ヌナの方が可愛いよ』

「え、？」

恥ずかしげもなく言うヒョンジンに、
私がビックリして照れてしまう。大人げない。

『ん？照れてる？』

「そんなことない」

『ヌナ照れてる〜！』

「からかわないで」

そう言いベンチから立ち上がり、怒って帰るフリをする。

『えっ待って』

ヒョンジンは慌てて私の腕を掴むと、ごめんと呟く。

「冗談だよ〜」

と笑って振り向くと、
ヒョンジンの曇っていた表情がすぐに明るくなる。

『本当に怒ったかと思った』

そう言い一緒に歩き出す。
ヒョンジンのおかげでチャニのことは忘れていた。