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#13 ページ13

...



急に、瞼の奥が明るくなる。
独歩はその眩しさに耐えきれず、思わず目を開いた。


「独歩!!」

「独歩くん!」


目を開けた先にいたのは、独歩のよく知る人物と、何人かの警察であった。
どうやら警察のうちの一人が懐中電灯を彼に当てているらしく、独歩は眩しさを感じる中、必死に自身の状況を思い出していた。


「俺っちが帰った後も居なかったから、ほんと、どこ行ったかと......!!」

「独歩くん...無事で何よりです...」


未だ混乱する独歩に、駆け寄りながらそう言った彼の仲間2人。
彼らは、独歩のことを夜通し探していたのだ。


「ひ、ふみ...先生...おれ、」

「独歩...おまえ、なにやって...っ...?!」


駆け寄ってきた一二三がヒュッと息を飲んで、そのまま固まった。
様子のおかしい彼の元に、警察官たちが寄ってくる。

独歩はふと思い出した。
(そうだ、Aは...?!)


「ぁ、こ、これは...」


警察官のうちの一人が、独歩の隣に光を当てながらそう呟いた。
一二三が腰を抜かし、ガクガクと震えている。
遅れてやってきた寂雷は、一二三の側と寄り彼の目を塞いだ。


「......A?」


明るくなった隣に、誰かが座っているのを視界にとらえた独歩は、ゆっくりとそちらへ顔を向ける。



そこには、腐り果てた女の遺体が木に凭れるように座っていた。



土で汚れたセーラー服は、確かに彼女の物であった。

しんと静まり返った森の中、独歩は熱いものが頬を伝うのを感じた。
自分は彼女を見つけたのだ。


「A...!A...」


彼は遺体をゆっくりと抱きしめた。
スーツに汚れがつこうが、虫が這おうが彼には関係なかった。

初めて、彼らが触れ合えた瞬間であった。

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(プロフ) - kai_0998さん» 分かりみがフカヒレ (2019年12月8日 11時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 紺さん» コメントありがとうございます。独歩にはどうしてもメリバエンドを迎えて欲しい気持ちがあります... (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
kai_0998(プロフ) - 鈴さん» コメントありがとうございます。褒めていただいてとても嬉しいです!楽しく読んでいただけたなら本望です...ありがとうございました (2019年12月8日 1時) (レス) id: 8c34b5ee67 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 独歩おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ (2019年11月30日 12時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごい感動しました!この作品を作ってくださってありがとうございます! (2019年11月29日 16時) (レス) id: 6cdcbd2af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kai_0998 | 作者ホームページ:http://id52.fm-p.jp/649/kieyuku/  
作成日時:2019年11月28日 22時

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