その後 ページ5
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掃除が終了し、5時間目が始まろうとしていた。
5時間目の授業は体育でクラスメイトは足早に移動しているのだが、楪Aは一向に動こうとせず机に突っ伏してすぅっすぅっと規則正しい寝息をたてている。
先程叩かれた場所を見てみるとやはり頬は腫れていて、口元から血が出たのかマスクが髪色と同じく真っ赤に染まっていた。
本来ならば僕は急いで体育館に向かわねばならないのだが、掃除の時の事実と寝顔に僕は見入ってしまった。
結局僕はその後何も出来なかった。
先生や同級生に相談出来なかった。しても何もしてくれない思った。
い.じ.めていた女子に「やめてよ」の一言も言えなかった。かえって毒だと思った。
Aに声を掛けることすら出来なかった。少し怖かった。
結局僕はただぼーっと隣の席の君を見ている事しか出来なかった。
キーンコーンカーンコーン
僕と君しかいない教室に無機質なチャイムの音が大音量で流れ込んできた。まるでこの世界に僕と君しかいないように。
「やばっ急がなきゃ。」
僕はAを一瞥してから階段を駆け下りた。
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ミク - 辛い体験をした筈なのにこのお話に書いて下さり本当にありがとうございます。相談窓口にこの事を話してみようと思います。 本当にありがとうございます。私の唯一の救いです。 (2022年3月14日 2時) (レス) id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 死にたいって思ってもそんな勇気お前にはないなんて、そんなことばかりです。私の学校には本当に信頼できる友達がいないので困っていました。ですが、無透明少女様が書いてくだったこのお話のおかげでいくらか気持ちが楽になりました。 (2022年3月14日 2時) (レス) id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
ミク - いじめについてのお話を作って下さりありがとうございます。私は中学1年の女子です。私、は今いじめられています。クラスの男子から蹴られたり暴言を吐かれたり、物を盗まれたり、上履きを隠されたり、もうメチャクチャですよね(笑) (2022年3月14日 2時) (レス) @page17 id: ab323fe17a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 私は、これを読んで、救われました。心が楽になりました。本当にありがとうございます。そして、生まれてきてくれてありがとうございます。 (2020年9月23日 22時) (レス) id: cdf5499a1c (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - いじめをされて辛かったですよね。わかります。私も経験したことがあるので。この場所でこの話を書いてくれてありがとうございます。 (2020年9月23日 22時) (レス) id: cdf5499a1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無透明少女 | 作成日時:2020年7月25日 8時