友達なんかじゃない ◎Yuto.N 《完結》

episode 12 ページ12

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伊野尾さんとの電話が終わるとすぐさまショートメールが届いた。



伊野尾慧伊野尾です。 電話ありがとうございます。 めしいつ行きますか?




「美咲…私、今度こそちゃんと、恋愛する！」


美咲「はいはい。それ前も聞いた気がするけど、
まあ頑張りな？あとそろそろ店閉めるから帰れ！」



そう言われ半ば追い出されるように私は店を後にした。


恋をすると不思議と些細な事に対しても楽しいことを見出せる。
今もそうだ。店から家までの帰り道ですら退屈に感じない。



あ、コンビニ…
なんか気分もいいしもっかい家で飲み直しちゃおうかなあ



「…ビールでも買うか」



独り言を呟きコンビニ内へ入る。



…あれ、見覚えある。
背の高いスタイルのいい男。



「あ、…Aじゃん」



裕翔だった。
裕翔は何にも変わらず私に接するが
私は彼に対してなんとなく気まずさを感じてしまう。



「…うん、てか帰ったんじゃなかったの？」


「あーうん、フラッと散歩がてら来た。
てかお前また飲むの？ビールに砂肝に、するめって…買うものオッさんか！」


「…うっさいな！好きなの！」


「ふははっ…ったく、すぐ怒んなよなあ」



確かに女子っぽくないけども…
そんな女子力のカケラもない私だってこれから伊野尾さんというイケメンと恋をするんだ。




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