Episode 23 ページ24
°
「だってこの拳銃、弾が入ってないもの!」
Aは言った。そして男は拳銃を確認し___
「ハッ、何をふざけた…う"っ!」
男が呻き声を上げ俯いた。
男が拳銃に気を取られ、Aの拘束を緩めた瞬間に、
Aがいわゆる、"男の急所"という弱点に蹴りをいれたのだ。
(すげぇな…)
と感心してると更に、
踞る(うずくまる)男の前に立ち、
「…っらあ!」
男の体が宙に弧を描いたように舞った。柔道の背負い投げらしき技だった。そして拳銃を奪った。
(うっわ…こいつ肝の据わってる女だなあ…)
「キッド!行こう!」
Aが叫ぶ。そしてこっちに向かっていると…
「おい、小娘…お前も怪盗キッドの仲間なのか…」
男はまだ横たわっている。喋る声も掠れていて今は動くのは無理そうだ。
「違う、私は怪盗キッドの仲間なんかじゃない!でもあなたの味方でもないわ!…そもそも、こんな物騒なものを突きつけられて普通に従うわけないじゃない。あーそれと、弾はしっかり入ってたわよ」
クスクスと笑っているA。
そしてキッドのいるところへと辿り着く。
(…こんなやつ、初めて見た)
女というのは、弱々しいところを見せつけ男心をくすぐろうとするものだと思ってた。
ところが、彼女は違った。
凛々しく勇敢で、堂々としていた。
「…キッド?どうしたの?」
Aが顔を覗き込む。
「あ、いえ。お嬢さん、危ない目に遭わせてしまいましたね。お怪我はありませんか?」
「どこまでも紳士なんだね、ありがとう」
…凛々しくても微笑む顔はとても上品で。
思わずこっちも微笑み返していたとき、
「じゃあこれはどうだ?」
振り返るとそこには、男の手下と思われるやつらが、男を囲んで10数人はいた。
「オメェーら本当に宝石欲しいんだなー。仕方ねぇからあげるよ。ちゃーんと、受け取れよ?」
と言い、夕日のマドンナを手に取る。
「えっ、キッド!」
「よっ、と!」
夕日のマドンナが手から離れ、空高く舞った。月の輝きに反射し、手下たちにもよく見えたようだ。
そして手下たちは動揺し、焦り気味に声を掛け合っている。
「ちゃんと上げただろ?…じゃあな。リーダーによろしく!」
そして慌てた様子のAに"手を"と小声で言い、Aの手を取る。
「えっ、ちょ、ちょっと!」
手を引っ張り、ふわりとAを抱き寄せる。
そして白い翼を広げ、飛び立った。
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crown - ありがとうございます(’-’*)♪ (2015年2月12日 20時) (レス) id: eb982f7f43 (このIDを非表示/違反報告)
Maria(プロフ) - crownさん» わかりました!拝見させていただきます(^^) (2015年2月11日 23時) (レス) id: 84670edd74 (このIDを非表示/違反報告)
crown - もし良かったら、私の作品も見てくださいm(__)m 小説は2つあるんですが、初作品は無視で(笑) 今は名探偵コナンの小説を書いてます。 駄作ですがお暇があれば、見てくれると嬉しいです(*^^*) (2015年2月11日 17時) (レス) id: eb982f7f43 (このIDを非表示/違反報告)
Maria(プロフ) - crownさん» わ!ありがとうございます!!嬉しい…!!いえいえ、初めてなのでわからないことたくさんですよ〜(笑)作品は書きたいときに書くもんですよ!無理して書く必要はないと思います!応援ありがとうございます(^^)!また頑張れそうです!これからもよろしくお願いします! (2015年2月10日 23時) (レス) id: 84670edd74 (このIDを非表示/違反報告)
crown - いつも見させて貰ってます(^^) すっごく面白いです♪ 初めてでここまで書けるなんてすごい! 私なんか、初作品すっぽかしてしまいましたよ(笑) いつも応援しています! 頑張ってください(^^)/ (2015年2月10日 21時) (レス) id: eb982f7f43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Maria | 作成日時:2015年1月18日 19時