たとえばなし【鬼舞辻無惨】

After story ページ3

A生徒と打ち上げに行くので遅くなります
A夕飯は作ったので温めて食べてくださいね!





うん、よし。

連絡しておいたから大丈夫だろう


時刻は6時過ぎ

7時から食べ放題が始まるって
係の山田くんと中村くんが言ってたな


かたっくるしくないが、
そこまでラフでもない私服に着替えて
鞄の中に財布とカードとお化粧ポーチを入れる

何かあった時のためにヒールは履かない方がいいよね


そう思って靴箱から靴を取り出した



店に行けばある程度の生徒は
既にお店の中に入ってるらしく、
私たちの他にも違う団体の貸し切りがあるそうだ



『すみません、彼岸花という団体のものなんですが』

｢彼岸花様ですね。こちらへご案内致します｣



なぜグループ名を彼岸花にしたんだろ…

ちょっと恥ずかしい


室内に入ると｢鬼舞辻先生｣と呼んでくれて
私の席は既に決まっているらしい

右は田中さんで、左が上田さん



｢私たちがじゃんけんで勝ったんですよ！｣

｢本当は俺らが隣に座りたかったんだけど
女子たちがうるさかったんですよ？
酷くないっすか！！｣

｢ばーか！これだから男子は分かってないなぁ｣

｢鬼舞辻先生は既婚者なの！！
アンタらと隣は嫌なんだって！｣

｢はぁ？！そんなん関係ないだろ！｣


『まぁまぁ…落ち着きなさいって』



この元気な生徒の言い争いはいつもの事で
会話の内容を右耳から左耳へと流しメニューを見る

牛カルビいいな

お寿司も注文しちゃお


急に｢どうなんですか｣と聞かれて
『何が？』とかえす

聞いてなかったのがバレてしまったようだ



｢ですから旦那さん。嫉妬深いんですか？｣

｢いや生徒相手にしないだろ｣



先程の会話はまだ続いてたのか

う〜んと悩んでから『さぁ？』と答える


確かに生徒を相手にするような人じゃないけど
私に対する独占欲は人一倍あるからなぁ

同棲を断る時に味わったあのヤンデレ感を
思い出して鳥肌が立った



『どうだろうねぇ』

After story→←After story

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す