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ending ページ42































『おしまい』
































「もうおわり?」

『うん、おわりよ』

「まだききたい!」

「ほかは?ほかないの?」

「おれ、病気になった女の子たすけるお話がいい!」

「やーだー!つぎはわたしがきめるの!」

『こらこら、喧嘩はおよし。
皆の聞きたいお話ぜんぶ聞かせるわよ』

「ほんと?」

『ほんとう』



まんまるお目目をくりくりさせて、
純粋な瞳でキラキラと輝かせながら笑った

可愛い私の子、私たちの子

また孫の顔が見れて嬉しいわ


今の時代には珍しい日本屋敷の縁側に沿う部屋で
いつものように、お話を聞かせる

後ろからもう帰る時間だと彼らの母に言われれば
孫は「えぇー」と、駄々をこね始めた



『もうそんな時間?
もう少しゆっくりしていけばいいのに』

「明日から仕事があるんです。
それに充分ゆっくりしましたよ、お義母さん」

『ふふ、そうかい。
また次もおいで、その時は貴方にも話しましょうか』

「もう全部聞きましたよ。
まるで神様がくれた奇跡ですね」



あら、そうでしたっけ?

歳をとるとどうも覚えるのが苦手でねぇ


袖を引っ張られ可愛い孫に視線を向ければ
来年もまた来ていい?と聞かれた

えぇ、もちろんよ。たくさん来なさい
来年も、再来年も。好きなだけ来なさい。


おやおや、貴方まで泣かないでくださいな。
綺麗なお顔が崩れてますよ



「すみません、でもお義母さん…ッ」

『いいのよ。
でも私のところにはゆっくりしてから来るのよ』

「はい。私、お義母さんの息子さんと結ばれて、
お義母さんの娘になれて良かったです」

『私も嬉しいよ。どうかお元気で、体を壊さないで』

「っはい」



私の息子がお嫁さんと孫を迎えに来た



「行こうか、それじゃあ 母さん。
ありがとうございました」

『うん、仲良くやりなよ。
私たちの元に生まれてきてくれてありがとう』

「まま?」

「いこっか」



私の身体は病に蝕まれてしまった

1時間後に、私は死ぬ

そんな私の元に、たくさんの子供たちが
最期に挨拶しに来る


最後の息子夫婦が挨拶しに来て全員を帰らせた



「神様がくれた奇跡、か」

無惨(・・)



皆を玄関まで送り出した今世の旦那さんが帰ってきた


今も昔も、変わらないね

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つあ - 鬼と人、どちらもとても素晴らしい作品でした!この作品にとても引き込まれました。この作品を作った作者様の文才に惚れます!! 読んでるとき、とても楽しかったです。素晴らしい時間をありがとうございました!次の作品も楽しみにしていますね! (2020年9月23日 21時) (レス) id: 50e3ee0ebb (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - みづきさん» 作品を見つけ、読んでくださり喜悦しました。他作に連載中のがございますのでそちらも今後も読んでくださると嬉しいです。私の方こそコメントを送っていただきありがとうございます。 (2020年5月4日 1時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - みづきさん» 我ながら結構長いものだと思いますが、全作読んでくださりありがとうございました。私自身も鬼舞辻無惨の夢小説を探してましたが当時は今よりも少なく悲しい思いをしまして、求めるものがないのなら作ってしまおうとこの作品を作りました。同じような事を思った方がこの (2020年5月4日 1時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)
みづき - 全作拝読いたしました。鬼舞辻無惨の夢小説が思っていたより少なく、このお話を見つけられて本当に良かったです。涙を堪えながら一気に読み進めてしまいました。素敵な作品、ありがとうございます。 (2020年5月1日 18時) (レス) id: 684920ac9f (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - 美月さん» そう言って頂けると 色々と拘って頑張ったかいがありました。この夢小説が美月さんにとって良い時間となったのなら、この上なく嬉しく思います。こちらこそ、とても長いお話を読んでくださりありがとうございました! (2020年3月27日 23時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こよみ | 作成日時:2020年2月1日 18時

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