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_ずっと前から思っていることがあるんです



これから鎌倉に遠出するため玄関で靴を履いている
彼氏、もとい無惨さんに問いかける



『今更ですが、10番目のルールはなんですか』

「何がだ?」



壁に飾られたホワイトボードを見て、10番目を指す

これでは9番目の意味が無いじゃないですか



「他のやつに目移りしなければいい事だろう」

『そうですけど…』

「それともなんだ?
Aは私以外に誑かしている男でもいると」

『違いますから顔近い近い怖い』



鼻先がくっつきそうなぐらいに急に近づかれて
腰をホールドされる。

胸元を押してみるが効果はない。この馬鹿力


なーに不安になってるんですか

あなた一筋ですよと回答すれば満足したのか、
にんまりと笑って唇が重なり 軽いリップ音が鳴った



「……」

『なんですか』

「いや、なんでもない」

『なんでもなくはないでしょう
教えてくださいよ。ねぇねぇ』



絶対にその顔は何かある。

何年一緒にいると思ってるんです?


しかしどんなに頼んでも教えてはくれない

こうなったら猫なで声で試みようと実行したところ、
しつこ過ぎたのかデコピンを喰らった


ヒドイじゃないですか



「早く車に乗れ」

『言わないなら乗らないです』

「何故そんなに知りたがるのだ」



なぜって、そりゃあ 淋しそうな顔を
されたら誰だって気になりますよ

それが好きな人だったら尚更です


車を挟んで助席側から
運転席側にいる無惨さんを見つめる

そうすればちゃんと答えてくれるって知ってるのだ


はぁ、と重い溜息をつかれ車に乗った後に言うと
言ってドアを開けて中へと入ってしまった

私もそれに続いて乗る

無惨さんは「引かないでくれよ」と
前置きをして、少し溜めた



「…私だけが本気なのだと今でもたまに思ってしまう」

『はい?』



ぼそっと口にした言葉は思ってもいないもので
思わずフリーズしてしまった

つまりは、どういう事なのだろう



「偶にだ。仮にも人の道を外れた者であり、
お前を殺したとも言える男だ。

いつか、、捨てられるのかと思っていたから
私一筋だと言ってくれたのが、その…」



まだ、根に持ってたんですか

自傷的に嗤って目を逸らした彼に
どう、なんの言葉を送るのが正しいのかは分からない

分からない。けど、スキンシップの激しい彼には
それに私も同じように返そうと飛びついた



『私はいつだってあなた一筋ですよ!
さ、行きましょ?鎌倉旅行』

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つあ - 鬼と人、どちらもとても素晴らしい作品でした!この作品にとても引き込まれました。この作品を作った作者様の文才に惚れます!! 読んでるとき、とても楽しかったです。素晴らしい時間をありがとうございました!次の作品も楽しみにしていますね! (2020年9月23日 21時) (レス) id: 50e3ee0ebb (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - みづきさん» 作品を見つけ、読んでくださり喜悦しました。他作に連載中のがございますのでそちらも今後も読んでくださると嬉しいです。私の方こそコメントを送っていただきありがとうございます。 (2020年5月4日 1時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - みづきさん» 我ながら結構長いものだと思いますが、全作読んでくださりありがとうございました。私自身も鬼舞辻無惨の夢小説を探してましたが当時は今よりも少なく悲しい思いをしまして、求めるものがないのなら作ってしまおうとこの作品を作りました。同じような事を思った方がこの (2020年5月4日 1時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)
みづき - 全作拝読いたしました。鬼舞辻無惨の夢小説が思っていたより少なく、このお話を見つけられて本当に良かったです。涙を堪えながら一気に読み進めてしまいました。素敵な作品、ありがとうございます。 (2020年5月1日 18時) (レス) id: 684920ac9f (このIDを非表示/違反報告)
こよみ(プロフ) - 美月さん» そう言って頂けると 色々と拘って頑張ったかいがありました。この夢小説が美月さんにとって良い時間となったのなら、この上なく嬉しく思います。こちらこそ、とても長いお話を読んでくださりありがとうございました! (2020年3月27日 23時) (レス) id: 1c06e5faff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こよみ | 作成日時:2020年2月1日 18時

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