たとえあなたが鬼でなくても 下

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俺は我妻善逸。

高校ライフはリア充になろうと意気込んでいたが
初日から元水柱の冨岡先生に目をつけられ
その儚い夢は見事に砕け散った

他クラスや他学年に行っても俺の噂は
広がっているようで金髪の高校1年生と認識されてる


………。

あの人前世持ちだよね？！
俺の事も知っているはずだよね？！
一体なんなのよ！！新たな嫌がらせですかァ？


伊之助と炭治郎とでA先生の教室の前で
帰りのホームルームが終わるまで待つ


俺と伊之助は古典の点数がとてつもなく悪い

今回の考査1であまりにもひどい点数をとってしまったため補習を受ければならない。最悪だ。

俺は赤点ギリギリだけど問題は伊之助


本当は伊之助だけが補習を受ければいいんだけど、
あんな美人な先生に教えてもらえるんだぜ？
行くしかないでしょ

それに教師と生徒が放課後にって……キャーｯ♡

ヤベぇ鼻血出そう

おい待て、そんな顔するなよ炭治郎。
やめてくれよ。傷つくだろ？


炭治郎は俺と伊之助が補習受けるから
じゃあ炭治郎も、ってことで無理やり連れてきた



『あ、おまたせ！もうちょっと時間かかりそうなんだけど、いい？』

｢全然平気です！｣

『ありがとう。ちょっと待っててね』



あー、やっぱり美人さんだなぁ。可愛いなぁ。

頬のお肉が全部とろけてしまいそう


いつも笑顔で、楽しそうで、
俺みたいに下心丸出しのやつにでも優しくしてくれるAさんは今世でもそれは変わらなくって、

彼女のクラスだけじゃなく
うちのクラスからも人気の先生だ。









．









．









．









『〜〜〜。でね、‘き けり つ ぬ たり’のあとは必ず』

｢連用形になる｣

『あたり〜、それで今やってるのが‘けり’なのね。
では‘けり’の意味はなんでしょう？』

｢過去と詠嘆｣

『正解！』

｢えいたんってなんだ｣

『詠嘆はね、‘〇〇だなぁ、だったなぁ’とかいう
それまで意識していなかったことに今初めて気づいた気持ちを表す感じかな？たとえばね、』



本当にわかりやすい。

だってあの伊之助がちゃんと聞いてるんだもの。



『こら 我妻君。見てないでプリントやってね？』

｢はぁい♡｣



ガン見していたのがバレたみたいで注意されちゃった

怒り方さえも可愛い

横で炭治郎が｢うわ…｣と心底軽蔑したような声を出す

やめろ。傷つく。



『竈門君は大丈夫？』

｢はい！｣

『ふふっ、元気のいい返事だね』



Aさんはあの時と同じように笑った

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