貴方はカモ

番外編 ページ49

大正時代の医療は発展しきれていない、特に田舎は。



いくら鬼滅隊の柱でもこういうのは優遇されない。
何故ならば鬼滅隊という組織は政府から公認されていないからだ


つまり何が言いたいのかと言うと、出産で死亡する確率が高い。

Aちゃんが俺たちとの子と引き換えに命を落とす可能性が少なからずあるということだ



隣の部屋で待っている






聞きなれた音と、可愛らしい軽く速い音



大丈夫、生きてる









。





。




。



何時間経ったのかわならなくなった


おぎゃあ、と威勢のいい赤子の泣き声が聞こえた
元気な男の子だと、聞こえた



襖を開ければ疲れ息切れしているAちゃんと目が合う


勝手に入るなと怒られたがそれどころじゃない






『ぜん、いつさん』

｢Aちゃん！…ありがとう、ありがとうｯ｣




伝えきれないほどありがとうという言葉を述べる

これ以外の言葉なんて出てこなかったんだ


ありがとう、Aちゃん








赤子を抱えれば重たかった

ずっとずっと、思ってた以上に重たかった

手を握れば握り返す

その事に感動する




｢Aちゃん、本当にありがとう。
これからはAちゃんの旦那さんとして、
この子の父親として2人を守るよ｣


『うん。でも、善逸さんがいなきゃ いみないから。長生き、しましょうね』


｢うん、する……長生きするよ｣





涙がとまらない



『そうだ、この子の名前』

｢決めないとだね｣









命名:我妻 優一郎







〘完〙
ありがとうございました

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