向日葵 (ページ7)

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STORY.7 ページ7

平野side

貴「……平野くんは、
平野くんは、出来の悪いやつなんかじゃないよ

平野くんは……

みんなや、
平野くん自身が思ってるような人やないと思う

すごい優しい、」

引かれたやろなって

またこの子も俺の元から離れていくのかと思って

でもまあ仕方ない

いつもと同じや

そう思ってたのに

君から返ってきた言葉は

俺が1番欲しかった

誰かにそう言って欲しかった

そんな言葉だった

平「…え……？」

貴「あのね、確かに話してみるまでは
ちょっと怖いなぁとか…思っててん

でも、全然違うかった

平野くんと一緒におると
なんか…なんて言うんやろ

.

.

ほっとする」

.

.

.

またそんな

俺の欲しい言葉を

君はいつもの真っ直ぐな瞳で俺を見て

向日葵のような笑顔で微笑みながら

そう話してくれる

いつの間にか

心の隅っこにぽっかり空いてた穴が

塞がった気がして

ただ単純に嬉しかった

貴「平野くん……泣いてる？」

無意識のうちに泣いてた

人前で泣いたんなんかいつぶりやろ

君はただ一言の短い言葉で

俺をここまでも変えてくれる

平「そんなん言われたん…初めて、やから」

貴「ねえ、明日もここでお弁当食べてもいい？」

平「ええよ…いつでもきて」

.

誰かと一緒にご飯を食べるなんていつぶりだろう

必要最低限の物しか置いてない家に帰って

暗い部屋の電気を付け、

1人で、たった1人で

家政婦さんが "業務"で作って行ったご飯を食べる

また明日の昼にならないかな

早く君と話したい

もっと君と話してみたい

そう思えてしまうのは

きっと君だから