向日葵 (ページ47)

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番外編① ページ47

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紫耀くんはいつもひとり

悲しそう？ううん、何も感じてなさそう

そんな顔してごはんを食べている

僕がこの家に来たのは、紫耀くんがまだ5歳の時

クマのぬいぐるみとして売られていた僕を

紫耀くんが見つけてくれた

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父「何でも好きなものを書くんだ。
いい子にしてたら、サンタさんが持ってきてくれるぞ」

平「ほんとに？ほんとにサンタさんがくれるの？」

父「ああ。
でもバイオリンや習字のレッスンで上達しなきゃ、きてくれないかもしないな」

平「……そんな、」

兄「僕には来てくれるかな？父さん」

父「ああ。お前にはきっとくるさ
この前の漢検の成績、よかったそうじゃないか」

平「ぼくには、きてくれないのかな……」

トナカイと、ソリに乗るサンタが描かれたポストカード

それを両手で握りしめて、じっと涙をこらえる

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あー、寒い。

ツリーと一緒に飾られるのなんて懲り懲りだ

こんな骨董品店のディスプレイなんて誰も見やしない

子どもたちはみんな、デパートのおもちゃ売り場で買うだろうし

ああ、早く冬が終わればいいのに

……見られている

１時間前からずっと、ディスプレイの奥に男の子がひとり

手をガラスを押し付けて、僕の方をじっと

なんだよ

買うなら買えよ

どうせそうなんだ。いつもいつも

誰にも必要とされなくて

どうせ1度捨てられた身だもん

この子だって、買わないし

……まず親いないし

平「……ねぇ、」

男の子が口を開く

……ん？

僕に話しかけてる？

平「きみにはかぞくがいないの？」

家族？

いたよ。あきちゃんが

あきちゃんはすごくかわいくて

優しくて

いい匂いがして

僕を抱きしめてくれて

だいすきって、言ってくれた

でも中学生になって

彼氏ができて

家にぬいぐるみがあったら恥ずかしいからって

ここに売りに来た

いいんだ

だってそのお金で、あきちゃんは好きな人に好きなものを買えたんだもん

寂しくなんて…

さみ、しい…なん、て……