向日葵 (ページ3)

今日:10 hit、昨日:5 hit、合計:23,810 hit

STORY.3 ページ3

貴方side

どきどきした

平野くんと話すのは初めてで、

平野くんの顔を見た時

前に目が合った時の胸の高鳴りと

同じようなものを感じた

それに…

.

平野くんの目には色がなかった

.

この世界の何も信じていないような

そんな目だった

少しも怖くなかったと言えば嘘になる

だけどそれ以上に

.

平野くんを

助けてあげたい

そう思った

私に何ができるのか、

そんなことを聞かれてもわからない

ただ私はまず

平野くんと"友達"になることから始めようと

そう思った

どれだけ鬱陶しがられても

そんなことはどうでもいい

私は平野くんを闇の中から救い出したい

正義感とか同情とかそんなものではない

もっと何か別の感情だった

だから私は放課後HRが終われば

すぐに平野くんの所へ行こうと

そう決めた

.

やっと1日が終わった

屋上に行こう

貴「平野くん！」

平「名字さん…なに？」

貴「あー…えっと…。」

来る理由なんて考えていなかった

なんて言い訳しようか考えてるうちに

黙り込んでしまった

無言の時間が続く

平「ふふっ…」

貴「…え？」

平「隣、ええよ」

びっくりした

まさか平野くんからそんなこと言ってくれるなんて

もっと怖くて近寄り難いイメージがあったから

今日は突き放されても仕方ないよなって

そう思ってたから、

貴「なあ…なんで平野くんはいつもここにおるん、？」

平「んー…他に俺の居場所ないからかな…」

貴「そっかあ…」

平「他になんか聞きたいことある？」

貴「うーん…あ！またここ、来てもいい？」

平「うん、全然ええよ、」

そう言って平野くんは微笑んだ

平野くんはきっと優しい人なんだな

そう思った