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STORY.20 ページ20

貴女side









忘れよう って思ってても


教室に居場所なんてないし


廉のとこ行って心配かけるのも嫌だし





結局お昼は 屋上で食べることにした









お弁当をひとつだけ持って


屋上への階段を一段飛ばしで上っていく









でも









ドアを開けると







そこには 紫耀がいた









「紫耀……」





思わず声が漏れて



紫耀が振り返る





「紫耀……」









でも紫耀は



始めて話した時と同じ



色がない目で私を見て



まるで これ以上近づくなとでも言うかのような



そんな勢いで



私を見つめる








「しょ…う……?」



「……」



「2週間…どこ行ってたの……?」



「……」



「答え、てよ……」



「……」









何を訊ねても


ただどこを見ているのかわからない目で


じっと 見つめる









「紫耀……?」









「もう…話しかけんといて」



「え……?」









今 なんて……









「もう 会いにこんといて」



「紫耀……?どうしたの……?ねえ…しょ…」



「…くるなっっ!!!」









怒鳴りつける









紫耀に会いたかった


紫耀の声が聞きたかった


紫耀と笑いたかった








でも目の前にいる紫耀は


私が知っている紫耀じゃなくて


ただただ 怖くて


悲しくて






その場から無我夢中で逃げ出した









どこか遠くに行きたい



逃げてしまいたい









階段の横の掃除ロッカーの隅に


灘れるように座り込んで






ただ溢れて止まらない涙を


ひとりで拭う









「…A……?」









廉が側に来て


どうしたん?なにかあったん?って


背中をさすりながら聞いてくるけど



しょうしょうって 泣くことしかできなくて









紫耀を好きだって気持ちが


次から次へと 涙とともに溢れだして


しんどくて


つらくて


悲しくて









こんなにもあなたが好きだったのかと



痛いほど 感じていた

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ないと - 面白いです!更新楽しみにしてます! (2017年11月2日 22時) (レス) id: a081d20ce8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:KiKiRaRa ゚ | 作成日時:2017年10月17日 19時

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