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楽しそうにしてるテヨンさんと肩を並べながらすぐそばにある首をチラ見する。
体を動かす人の首は健康的で大変魅力的だ。
私の思考と連動するようにふわりと"香り"が広がる。
「ん…？間違ってボタン押しちゃった、あれ、」
『お休みになられますか？』
「うーん…まだゲームしたいんだけど…」
眠気とも違う感覚に戸惑っているようで、力の入ってない手からコントローラーをそっと抜き取ると、ソファに体を預けてどうやらゲームは諦めたらしい。
「なんだろ…これ…」
『なんだと思いますか？』
「ん…おしえて…」
『食事です』
「ぁえ、っ？…だっ、待って、」
首に舌を這わせると、びくりと身体を揺らして力の入ってない手で肩を押してくる。
アイドルの精神力凄い。プロ意識というやつか。
『傷1つ残しませんよ』
少し甘噛みした後に力を込めると先程よりも強く抵抗された。
しかし力で私が負けるはずもなく、テヨンさんは体から血が抜けていく感覚に耐えながら私の背中に腕を回して浅く呼吸を繰り返している。
「っなに、なにしてるの、…っあ、やめ、はぁ…っ、」
貧血にならないように調節しながら最後の一口まで飲み込んで口を離すと、私の口の端についた血を呆然と眺めたあとに自分の首を触って確かめている。
「え、あれ、噛まれ…、え？何も無い…？」
『傷一つ残さないと言ったじゃないですか。』
「Aさんって、なんなの…？」
『ホテルの従業員ですよ』
「だって血が…口に…」
私の唇を親指でなぞって呑気に血を拭うその姿が無知な子供のようで可愛らしい。
私から見れば大体の人間は子供にしか見えないけれど。
『こうしないと生きていけないんです。私はお金だけでは生きていけないので。』
＿＿＿私を警察につきだしますか？
跪いてテヨンさんを見上げると口を噤んで黙り込んでしまった。
あぁ、この反応は今後同情で血を分けてくれそうだ。
テヨンさんの手が再び口元に伸びて唇に触れた。
親指についたままの血を舐め取ると、眉間に皺を寄せて小さくため息をついた。
「Aさんは、すごく優しい人だから、Aさんだから、知らないふりをする。…あと、困ったら連絡して」
あぁ可愛い。これだから人間は可愛くて仕方がない。
フラグたちませんように
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ともか(プロフ) - やばいです。最高すぎます。続き待ってます！！ (3月9日 0時) (
レス) id: 6e7d6243f2 (このIDを非表示/違反報告)
Cat - 設定もお話も最高すぎて楽しく読ませていただいてます！続きが楽しみです〜！ (8月15日 15時) (レス) id: 611b93409c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぼさつ | 作成日時：2023年7月17日 14時
