フルーツバスケットと好奇心(ジェヒョン) ページ13
どうやら目の前で果物を切るパフォーマンスをしてほしいらしいが、なぜホテルのシェフではなく私が指名されたのか数時間問いただしたい。
カゴいっぱいの果物を見下ろしながら目の前に座るジェヒョンさんにバレないように小さくため息をつく。
『器用である自信はありますが、プロと比べると当然劣りますよ。』
「うん、大丈夫。」
緩く口角を上げるジェヒョンさんは何か含みのある表情で私を見上げている。
何を企んでいるんでしょうね。
あぁ仕事しなきゃ、とリンゴを簡単に飾り切りしたものをお皿に盛っていけば興味深そうにじーっと見ている。
「これもできる？」
『…かしこまりました』
スマホの画面を次々と私に見せながらリクエストを重ねていくと、途中明らかにプロが切ったであろうものを見せてきてちょっと腹が立った。
ほんとにシェフ呼んでくるべきじゃない？
持ってきた果物全て切り終えて、片付けるためにジェヒョンさんと果物達をダイニングスペースから移動させる。
ホテルで働いておいて言えることじゃないけど人使いが荒いというか、ましてやフロントに頼むことじゃないというか、まずホテルで人を指名するな。
片付けが終わってさぁ撤収撤収とジェヒョンさんの邪魔にならないように横を通り抜けようとすると手を掴まれた。
「食べないの？」
『え』
「なんのためにAさんを呼んだと思ってるの」
手を引かれてソファに座らされてしまえば、言われた通りに仕事をしなくてはいけない。
「美味しそう？」
あぁまた含みのある笑顔。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ともか(プロフ) - やばいです。最高すぎます。続き待ってます！！ (3月9日 0時) (
レス) id: 6e7d6243f2 (このIDを非表示/違反報告)
Cat - 設定もお話も最高すぎて楽しく読ませていただいてます！続きが楽しみです〜！ (8月15日 15時) (レス) id: 611b93409c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぼさつ | 作成日時：2023年7月17日 14時
