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佰伍夜 ページ9

―竈門炭治郎視点―

「てめぇ…」

俺の発言がその人の反感を余計に買ったらしく

ゆらりと立ち上がると刀を握る

「ぶっこ…―がふっ!」

その時だった

一瞬何か言いかけたその人の目が見えたと思えば
次に気が付いた時には見えなくなっていた

と言うか、俺の視界から消えていた

代わりに今俺の目の前には…

ふわりと舞った黒と白の羽織が見える

「間に合ったかな…?」
「……」

はらりと羽織が舞い落ちた中から姿を現したのは男の人だった
俺はその姿に同性なのにもかかわらず綺麗だと思ってしまった

新たにまた…
この人も…柱と言う存在なのだろうか…?

「ちょっと遅れたなら申し訳ありません」

そう言って顔を上げたその顔を見て俺は更に驚いた

男の俺から見ても綺麗だ…

「静真さん」

蝶の髪飾りの女性の声で俺は意識を現実へと戻された

静真って今…
この人の名前なのか?

と言うか…お、俺はこんな状況で何を考えてたんだ!
それも、同性相手に…!

思わず俺は全身の熱が顔に集まるのを感じた

「あれ?君は…―」

そんな俺をよそに男の人は俺の方へと目をやるとぽつりとつぶやいた

「静真さん、彼は…―」
「うん、大丈夫」

俺の説明をしようと口を開いた髪飾りの女性にすっ…と手を伸ばし発言を止める動作をとると一言口を開いた
そして…

「君の事は知っていますよ、竈門炭治郎くん」

俺の名前を呼び微笑んだのだった

「あっ…」

俺はその動作にまた見惚れてしまった

動作一つ一つが軽やかで人を引きつける様な
そして、何よりこの笑顔
誰かと同じ雰囲気だ…見た事ある表情だ

そんな事を考えてしまい思わず首を振る

いやいや、何を考えてるんだ俺は!
そんな事よりもどうして俺の名前を?!

「そうでしたか、それよりも…―」

男の人の答えに納得したようにうなずく髪飾りの女性は言葉を続け一度間を置くと

「いい加減どいて差し上げてはどうでしょう?」

そう言って指を下に向けた

「あっ…」

指の指された方を俺は見て思わず声を上げてしまった

そこには先ほどまで禰豆子を傷つけていた人が倒れていたからだ

いや、正確に言うと上に乗っている人によって踏みつけられていたのだ

佰陸夜→←佰肆夜



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エラ(プロフ) - 栞乃さん» 誤字指摘ありがとうございます!確認してたのに気づいてませんでした笑 (2021年1月9日 22時) (レス) id: 2ccec68a2d (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 玖拾捌夜のヒノカミ神楽「演舞」ではなくて「円舞」ですよ! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 桜蝶さん» 返事が遅くなり大変申し訳ありません。ありがとうございます。そうなんですね!3つも執筆しているなんてすごいですね!私は1つのシリーズでも大変だと思ってるのに…笑 支障がなければで大丈夫ですよ! (2020年6月26日 14時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)
桜蝶 - とても面白いですね! 更新、頑張ってくださいね? 鬼滅の刃にハマっていて私も鬼滅の刃の小説を3つ書いてます。←良かったら教えますか? (2020年6月1日 20時) (レス) id: f12d7ff414 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 有栖さん» メッセージありがとうございます!私も早く絡ませたいです!道のりまだまだ長いですが…笑 (2020年5月21日 21時) (レス) id: 8b38394c2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エラ | 作成日時:2020年4月23日 20時

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