夜を操る者たち 参 【鬼滅の刃】

佰肆拾弐夜 ページ47

―我妻善逸視点―

「でもね、炭治郎くん、善逸くん」

俺の名前を確認した静真さんは俺らの名前を改めて呼んだ

やっぱりそう簡単には認めてくれないわよ
そうでしょ！相手お兄さんだもん！！

「認めるのは君たちの気持ちだけです」

そこまで言って静真さんのまなざしが少し強くなった気がした

「炭治郎くん、この間も言ったとおり僕はAを守れる人じゃないと本当に全てを認めるわけにはいきません」

“勿論、Aの気持ちがあっての話ですが”と付け加える静真さん
そう言えばそんな話したって炭治郎言ってたな

「はい、分かっています！必ず静真さんを超えるくらい強くなります！！そしてAを守れます！！」
「うん声大きいし、その自信どこから来るの？」

どんなに静真さんに言われてもめげない炭治郎に俺は少し尊敬を覚えるよ
でも、俺もひるむわけにはいかない！
炭治郎みたいに自信はないけど、この気持ちは本物だ！

「俺様も子分を守るのが親分の務めだからな！」
「君はちょっと違う気がするね猪頭くん」
「俺の名前は伊之助だ！覚えとけこの無駄に男前！」

何か勘違いを起こしている伊之助に冷静に突っ込む静真さんと貶しているのか褒めているのかよく分からない返事返してる伊之助

「お、俺も！俺もすごく弱いけどAちゃんへの気持ちは負けません！」

炭治郎と伊之助の2人につられて俺も気が付けば廊下で叫んでいた

今考えるとはずかしぃぃ！

「ふふっ…ははっ…！」

そんな俺らを見て何故か突然静真さんが笑い出した

「そうですね、君たちの勢いには負けました」

ひとしきり笑うと俺らの気持ちに根負けしたと言い出す静真さんに俺と炭治郎と伊之助の頭には”急に何？”って疑問が浮かんだ

あ、でも静真さんの音さっきより分かりやすい
それに穏やかになってる

「”こんな状況です”、君たちが一刻も早く強くなって貰わないとこちらとしても困るからね」

”こんな状況”？それってどういう意味だろう…

疑問に思った俺だったけど…―

「とりあえず、明日からAも君たちと一緒に機能回復訓練に参加しますから」

静真さんのその一言で俺の疑問と考えは吹っ飛んだのだった

えぇっ！うそぉ！Aちゃんと一緒に参加できるの？俺頑張っちゃうっ！！

「まぁ、とりあえず君たち3人は先に”Aを超えるところから始めましょう”」

笑顔でそう言い残すと静真さんは颯爽と踵を返し去って行った

うん？どういう意味？
と、疑問に思う俺たちを残して…

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