夜を操る者たち 参 【鬼滅の刃】

佰参拾弐夜 ページ36

―我妻善逸視点―

日中、1人の男性と病室を出て行ったきり戻ってこなかった炭治郎

ようやく戻ってきたと思った時には日も暮れた頃だった

炭治郎が何をしていたのか心配だった

長い間病み上がりの体で何をしていたんだろう…？

戻ってきた炭治郎に問いかけてみると、どうやら一緒に出かけた相手は柱らしい

柱…？柱が何で炭治郎を…？

不安になる俺の心配をよそに炭治郎は何故か興奮と喜びが混ざった音がしていた

更に詳しい事を炭治郎に聞いてみるとどうやら柱の人は夜柱で名前を”清華静真”さんと言うらしい

うん…？清華静真…？

「清華…静真…清…華…ってまさか…―！」

柱の名前を何度か復唱してみるとだんだんとある特定の人物の名前が浮かんできた

「あぁ、Aのお兄さん兼、師らしい」
「ええぇぇっ！」

そんな俺に気づいたらしく炭治郎は笑顔を保ったまま俺に驚きを告げてきた

その事実に俺は勿論大声を上げる

そんな事知ってたら俺挨拶したのに！！
確かに言われたらAちゃんと雰囲気とか顔の感じ似てるかも…

日中会った人物の顔を愛しのAちゃんの顔を頭の中で比較してみた

「で、何でそんな人が炭治郎に何か用事があったのか？」
「それは…―」

炭治郎にたしなめられたところで俺は比較をやめ炭治郎と再度向き直った

そして俺の問いかけに対し炭治郎は少し困った様なはにかんだ様な顔をのぞかせる
それと同時に炭治郎の音も変わった事に気づいた

まぁ、音がなくても顔だけでも十分だけど

「待て」

それを見た俺はすかさず炭治郎が口を開く前に制止させる

いや、その先…―

「まさか炭治郎…Aちゃんに会ってたとか言わないよな…？」

俺は炭治郎の雰囲気である一つの結論を導き出した

そしてその瞬間、炭治郎の”音”が更に変わったのを聞き逃さなかった

「あぁ、そうなんだ！聞いてくれ善逸…―！」
「ああぁぁっ！？」

俺の予想はやっぱり合っていたらしく炭治郎がやや興奮気味に返事を返してきた

それに俺が大声を出した

そしてその後俺が大声で炭治郎に不満をぶちまけた事も言うまでもない…

いや、本当に不公平だってぇぇ！！

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