夜を操る者たち 参 【鬼滅の刃】

佰夜 ページ4

『あっ…消えました…』

あれからしばらくして先ほどまで見えていたまがまがしい雰囲気が突如見えなくなった

『と言う事は…―』

私はそれが何を意味するのか悟った

『ふふっ…良かったです』

そこにはきちんと炭治郎くんと禰豆子ちゃんの気配が微かだが残っていた

それに私は思わず笑みがこぼれてしまった

良かった…義勇様が間に合った

そして、鬼の首を取った

これで少なくとも私の知り合い全員はなんとか亡くならずに済んだ事になる

しかし、それはあくまでも”私の知り合い”に限る

『……』

私は今私の周りに倒れ動かなくなってしまった隊員の方たちを見た

これだけ多くの人が犠牲になってしまった…
たくさんこの山に入って、生き残っている人たちは全体の何割なのだろう…

それほどまでに今回の鬼たちは強かった…―

十二鬼月は強いと言う事なのだろう

そして、その十二鬼月が柱の手によって倒された

つまり、柱もそれだけの実力の持ち主なのだ

その両方を今回で痛く実感させられたのだった

「A様？」
『あっ、申し訳ございません…少しぼーっとしてました』

考え込んでいた私に隠の方々の声がかかる

それに謝罪を入れ”どうしましたか？”と確認する

「いえ、後は我々で何とかできますので」

”A様もお疲れでしょうから”と言われてしまった

周りを見ると確かにもうほとんど治療と救出も済み、残すは搬送だけになっていた

『そうですか？それではお言葉に…―』

あれ…？
何でしょう…
視界がすごく…歪んで…
かすんで見えて…―
あっ、立って…―

私は急に襲ってきたそれに対応できず

どさっ…！

音を立て崩れてしまった

「A様？！」

遠くで隠の方々の焦りを含んだ言葉を聞きながら

私は意識を手放し

その場に倒れてしまったのだった

まさかその時

炭治郎くんと禰豆子ちゃん

そして義勇様に大変な事が起きているとは知らずに…

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